2025.09.02

発想の視点を広げる。「電通未来曼荼羅2025」で見つける未来のビジネスチャンス

「電通未来曼荼羅2025」は、2035年までを見据え、「人口・世帯」「社会・経済」「科学・技術」「まち・自然」の4分野のトレンドを網羅・整理した中期未来予測ツールです。各トレンドには概要やデータ、関連トピックがまとめられ、新規事業や戦略立案の出発点として多くの企業に活用されています。毎年アップデートされる「未来曼荼羅」。2025年版ではどこが刷新され、実際の活用方法や支援事例にはどんな広がりがあるのか?電通デジタルで「電通未来曼荼羅」に関わるメンバーに話を聞きました。

新たな編集方針で生まれ変わった「電通未来曼荼羅2025」

――「電通未来曼荼羅2025」の主なアップデートを教えてください。

高橋朱実:今回、「電通未来曼荼羅2025」では、想定する未来のタイムラインを2030年から2035年まで延長しました。また、「電通グループがクライアントに提供できる価値は何か?」という根本的な問いに立ち返り、電通グループの30人が1000時間以上かけて、我々らしい未来への洞察をふんだんに盛り込むべく、議論・リサーチを繰り返し、成果として、過去最高の完成度に仕上がったと自負しています。

――リサーチ・議論の結果、どうあるべきだという結論に至ったのでしょうか?

高橋:私たちの結論は、単なる未来予測ツールではなく、クライアントが未来のビジネスチャンスをつかむための”仮説量産ができるキックオフツール”であるべき、というものです。どんな未来にも必ずチャンスは存在します。その可能性を見つけるために、今回チーム全員で意識を共有しました。

この意識を具体化するため、「エディトリアルコード」という編集方針も新たに策定しています。

――エディトリアルコードの内容を教えてください。

高橋:編集チームが重視すべき5つのポイントをまとめました。

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特に3~5は、クライアントと共に、多くの未来チャンスを発想できるツールとして「電通未来曼荼羅」を進化させたいという想いを反映しています。

――今回は27テーマを入れ替えたそうですが、主だったものを教えてください。

高橋:生成AIなどテクノロジー分野はもちろん、ポップカルチャーやライフスタイルといった幅広い分野まで、より野心的なテーマを精選しました。

例えば「男性の“自分らしい役割”の見つけ方」。今後、男女ともに多様な生き方が当たり前になり、男性も「自分らしさ」を問われる時代が来るという仮説です。すでに共働きやイクメンといった概念に象徴されるように、性別による役割分担の価値観は大きく変わりつつあります。

もう一つが、「アジアのポップカルチャーがつなぐ世界平和の形」です。日本のアニメやキャラクターなどのIPは、今や“国力”とも言える存在です。これらが国境を越え、文化が平和をもたらす可能性に注目しています。

他にも、「AIの民主化」「AGI(人工汎用知能)の到来」といったテックテーマ、「階級社会」や「ロンジェビティ産業の拡大」など、これからの社会や産業を大きく変えるテーマを取り上げました。ユニークなものでは「進む二季化、広がる新たな週の楽しみ方」。気候変動による季節の変容と、それに対応した新しいライフスタイルのあり方を描いています。

既存テーマもすべて見直し、タイトルは同じでも中身は全面刷新。“すべてが新しいテーマ”という気持ちで取り組みました。

高橋 朱実(エクスペリエンス&プロダクト部門 サービスイノベーション&プロダクトマネジメント事業部)

対話で創造を導く「認定ファシリテーター制度」

――今年度から新たに制定した「認定ファシリテーター制度」とは何ですか?

秋元良太:これまで「電通未来曼荼羅」のワークショップでは、テーブルファシリテーターが多様な価値観や視点を引き出し、参加者のアイデアを広げる役割を担ってきました。新しい「認定ファシリテーター制度」は、こうした役割を担う人財を私たちが正式に認定する仕組みです。

現在、電通グループ内で約20人が認定ファシリテーターとして活動しています。

――認定ファシリテーターには、どのような資質が求められますか?

秋元:「電通未来曼荼羅」のワークショップでは、参加者の視野を広げ、着想や発想を自由に拡散させていくことが非常に重要です。そこが、一般的なワークショップの進行とは大きく異なる点でもあります。

そのため、参加者の視野や発想を自由に広げる「アイデアの発散」を積極的にサポートするマインドが不可欠です。ファシリテーター自身も対話に参加し、自由な意見を引き出して「創造的な場をつくる」ことが最大の役割です。 

秋元 良太(エクスペリエンス&プロダクト部門 サービスイノベーション&プロダクトマネジメント事業部)

さまざまな企業で活用される「電通未来曼荼羅」

――「電通未来曼荼羅」の活用事例を教えてください。

工藤萌:九州各地の主要駅に商業施設を展開するJR九州駅ビルホールディングス様の事例では、「近視眼的ではなく未来を見据えた中期戦略をつくりたい」「戦略を社内に浸透させていくために各駅ビルを巻き込んで一体で考えたい」というご要望がありました。そこで「電通未来曼荼羅」を使ったワークショップを実施し、各社の立場を超えて2030年の未来を共に見据え、建設的な議論が生まれました。戦略の方向性に共感と一体感が生まれたのが大きな成果です(詳細は別記事をご参照ください)。

他の事例として、メディア企業様では、新規事業のための発想が「自社アセット」に縛られて広がりにくい課題がありました。ここでは「電通未来曼荼羅」を通じ、ファシリテーターが「未来の生活者像」や「高齢社会」を切り口にゼロベースで考える後押しをしました。「慣れ親しんだ発想から解放され、多様で発見のあるアイデアが生まれる」と好評でした。非日常的な仮説や話題を議論することで、チーム全体の視野も広がったと感じています。

その他家電メーカー様では、今後の顧客との関係性を見直すため、インプットとして「電通未来曼荼羅」を活用し、その議論がきっかけとなり、まったく新しいサービスを創出。また、飲料メーカー様では、未来の顧客接点を探るワークショップを実施した結果、戦略案がグローバル本社にまで採用されるなど、実際の事業や組織全体を動かすことに貢献しました。

工藤 萌(エクスペリエンス&プロダクト部門 サービスイノベーション&プロダクトマネジメント事業部)

――クライアントからの評価はいかがですか?

秋元:「短時間で幅広い最先端の情報をインプットできる」「自分たちの事業領域だけでなく、新しい発想に触れられる」という評価が多いです。事前学習は大変という声もありますが、「普段の仕事とは全く違う視点が思考を広げてくれた」「非日常的な発想や話題を話すことで新しい気付きがあった」といった感想も寄せられています。

こうした思考の転換や視野の拡大は、「電通未来曼荼羅」ならではの大きな価値だと実感しています。


多様な視点との“出会い”が生み出す新規事業の土台

――「電通未来曼荼羅」を活用した支援サービスの、他社コンサルとの違いや強みはどこにあると思いますか?

高橋:一般的な新規事業開発の支援は、マクロ視点のトレンド分析や市場規模の予測など、トップダウン型が中心です。しかし私たちの特徴は、プロジェクトの冒頭でワークショップを必ず実施し、多様な未来のトピックに全員で真剣に向き合うところにあります。

まずは「こんな未来もあるかもしれない」と感じてもらうことで、今まで気づかなかった視点や新しい可能性と出会えます。この発散と収束を組み合わせたプロセスをチーム全体で共通体験として持つことが、私たちの大きな強みです。

ワークショップでは、プロジェクトメンバーの仮説や価値観が可視化され、これが後の議論や戦略決定のエネルギーになります。「電通未来曼荼羅」を用いて、企業とプロジェクトメンバーの意志を引き出し、全員で考え抜く場を設計できる点が、他社にはない私たちならではの価値だと思います。

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行き詰まりを打破する、未来志向の思考転換ツール

――どんな企業にこそ役立つと考えていますか?

高橋:「電通未来曼荼羅」は、視点や視座を広げ、意識を拡張するのに最適なツールです。「最近アイデアが出ない」「視野が狭くなってきた」と感じている企業、そして、これまで順調に成長してきたものの今後の方向性を模索している企業にも、ぜひ使ってほしいと考えています。

ピボットや新規事業開発など、現状を見直し新しい一歩を踏み出したいときにも「電通未来曼荼羅」は非常に有効です。ただ、“これさえ使えば自動的に正解が見つかる”というものではなく、私たちはクライアントと一緒に悩み、考え抜くプロセスを大切にしています。その共感と伴走が、意味のあるアウトプットにつながると信じています。

実際、新規事業担当として理想の“スタート地点”を知りたい方、「どこから手をつけていいか分からない」とお悩みの方からの相談も多いです。また、「PMO人材が足りない」といったご相談にもグループの専門チームと連携しサポートできます。課題や悩みが漠然としていても、ご相談いただければ適切につなぎますので、ぜひ気軽にご連絡ください。 


2035年の社会像や新たな発想の切り口を知っていただくため、「電通未来曼荼羅」のサンプル資料を無料でご覧いただけます。ご興味ある方はぜひお問い合わせください。

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