2025.05.08
POLA×『美的』の活用実績から見る 「Instagramマガジンパッケージ」を効果的に活用する3つのポイントとは
POLAと雑誌『美的』(小学館)は、電通デジタルのソーシャルプラットフォーム部・電通 出版ビジネス・プロデュース局が Facebook Japanと提携・開発した独自の商品「Instagramマガジンパッケージ」を活用し、大きなブランドリフト効果を上げました。活用実績をもとに「Instagramマガジンパッケージ」の効果的な活用方法について、担当者3名に聞きました。
出版アセットを柔軟に組み込める「Instagramマガジンパッケージ」の魅力
――POLAが「Instagramマガジンパッケージ」を実施した背景を教えてください。
電通・平林:POLA様は、以前から雑誌『美的』(小学館)に出稿していただいているクライアント企業です。今回の案件は『美的』の本誌とWEBにてタイアップ記事を実施する予定でしたが、「せっかくならば、SNSでの広がりも重視したい。SNSでリーチを拡げたい」というご要望があったので、「Instagramマガジンパッケージ」をご提案しました。
――実施した施策の内容はどのようなものだったのでしょうか?
平林:まずは『美的』のInstagramアカウントにて「タイアップ広告」を投稿し、その投稿をPOLA様の「パートナーシップ広告」として運用するという流れで進めました。
タイアップ「Instagramマガジンパッケージ」広告のクリエイティブは、『美的』本誌に掲載したタイアップ記事をInstagram用に作り替えたものをベースにしました。追加で『美的』編集部が運営する「美的クラブ」という読者コミュニティのメンバーにアンケートつきのサンプリングを実施し、その結果も反映させた内容となっています。また、「美的クラブ」のユーザー投稿も併せて紹介することで、立体的な商品紹介になるように制作しました。
「パートナーシップ広告」の運用結果は、MetaのデータクリーンルームであるMeta Advanced Analytics(MetaAA)を活用し、効果検証を行いました。
データクリーンルームを使い、詳細なブランドリフト効果の検証を実施
―― MetaAAを活用した効果検証はどのような形で行いましたか?
平林:今回の施策におけるPOLA様の目的は、広告接触者の購入意向を向上させることと、態度変容の詳細を知ることでした。MetaAAでは、Instagramの運用データとマクロミルのデータをマッチングさせることで、リフトの詳細を確認することができます。今回のデータ分析では同時期に実施していたPOLAの通常広告(純広告)と比較し、
- 「Instagramマガジンパッケージ」のパートナーシップ広告だけに接触した人
- 純広告だけに接触した人
- 両方に接触した人
- どちらにも接触していない人
の4つの条件でどのくらいリフトが出ているか、マクロミルのデータと突合して確認しました。
今回の効果検証分析の結果、純広告と「Instagramマガジンパッケージ」のパートナーシップ広告の両方に接触した人において、認知、理解、購入の幅広いフェーズで15~20ポイント増という、極めて高い効果が見られました。企業視点・第三者視点両社からのアプローチが効果的と考えられ、今後は、他のクライアント企業にもこの組み合わせの配信をおすすめしていきたいと思っています。
電通デジタル・藤井:リフトの有無を知りたい程度であれば、BLS(ブランドリフトサーベイ)でもいいのではないかと思われるかもしれません。BLSと比較するとMetaAAで実施するアスキング調査は、BLSで実施するような定型化された設問だけでなく、非常に柔軟に設問設計ができるため、設計次第ではユーザーのアフィニティ(好意)をはじめとした、より詳細な項目に関しての調査が可能な点が強みです。また、広告への接触/非接触/重複接触といった複数の条件での効果検証ができるのもMetaAAの特長です。今回の事例はまさにMetaAAの特性を生かした調査結果だと言えます。
「Instagramマガジンパッケージ」を活用する3つのポイント
――今回の事例を踏まえて、「Instagramマガジンパッケージ」を活用するポイントを教えてください。
平林:3点あります。1点目は、Instagramのプラットフォームにおいて、第三者の視点から広告配信ができることです。通常、広告とはクライアント企業自身の視点から配信するものですが、この「Instagramマガジンパッケージ」では、出版社という第三者の視点からの広告配信を行います。それがユーザーに大きな態度変容を促すことにもつながっています。企業目線の純広告と同時に配信し、2つの視点からユーザーにアプローチすることで、さらに高い効果が望めます。
2点目は、出版社のリソースを活用したクリエイティブ制作ができることです。今回は『美的』が持つ「美的クラブ」という読者コミュニティを活用しました。出版社はこういった広告制作において有効なリソースを豊富に所有しています。これらを活用できる点は大きなメリットです。
3点目は、電通、電通デジタルの横断組織であるソーシャルコンテンツプランニングユニット(SCPU)が運用を行う点です。SCPUが運用を行うことで、MetaAAを使った効果検証はもちろん、 dentsu Japanが開発したその他のソリューションと掛け合わせた運用も行うことができます。これにより、通常のタイアップ広告では難しい、より深い分析や詳細なターゲティングでの広告配信を実施することができます。
dentsu Japanの強みを掛け合わせ、クライアント企業と出版社を強力にサポート
――「Instagramマガジンパッケージ」の今後の展望をお聞かせください。
平林:出版社には、これまでの長い歴史で培ってきた雑誌制作・編集のノウハウとリソースがたくさんありますが、まだまだSNSで生かしきれていないように思います。そこをしっかりマネタイズできる体制を作って出版社に還元しつつ、専属モデル、読者コミュニティ、有識者や有名店とのコネクションなど、出版社が持つリソースを活用して、オリジナルコンテンツを作っていける体制を組織したいと思っています。
藤井:出版社の強みであるコンテンツ制作力と、電通デジタル ソーシャルプラットフォーム部の強みであるデジタルマーケティング施策を考える力を組み合わせて、商品開発を進めます。個人的には、各出版社が抱えるコミュニティやリソースを活用した動画制作に取り組んでみたいです。出版社がアサインするインフルエンサーや著名人を介して商品の魅力を伝える動画クリエイティブは、より広告感を薄め、信頼感を醸成できるのではないかと思います。また、出版社と言えば企業やブランドの訴求を端的に、分かりやすくライティングするのが強みだと思うので、活字を生かした媒体との商品開発を進めていくのもおもしろそうだと考えています。
電通デジタル・土屋:「Instagramマガジンパッケージ」とMetaAAは、どちらも電通グループの強みです。この2つを掛け合わせ活用いただくことで、 SNSのトレンドを捉えながら、電通の強みを最大限に生かした施策が実施できると考えています。クライアント企業には今回の事例のように、最適なデジタル施策の実施・検証の仕組みを提供していきます。また、同時に出版社のマネタイズを強力にプッシュしていきたいと思っています。
今回の案件は、電通 出版ビジネス・プロデュース局と密接に連携しながら取り組んできました。この関係性を大事にしながら、今後も一緒に新しい挑戦をしていきたいです。
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