2025.04.22
出版社の制作力とSNSの拡散力を兼ね備えた 今注目の「Instagramマガジンパッケージ」とは
電通デジタル ソーシャルプラットフォーム部と電通 出版ビジネス・プロデュース局は、Facebook Japanと提携し、パートナーシップ広告の座組を生かして、独自の商品「Instagramマガジンパッケージ」を開発しました。今回は、その商品の概要と特長、活用方法などを、担当者3名に聞きました。
電通 出版ビジネス・プロデュース局と電通デジタル ソーシャルプラットフォーム部がタッグ
――ソーシャルコンテンツプランニングユニット(SCPU)とはどのような組織ですか?
電通デジタル・土屋:電通デジタル ソーシャルプラットフォーム部と電通 出版ビジネス・プロデュース局の横断組織で、2023年に発足しました。出版社が持つコンテンツ制作力と、我々の強みであるSNSのメディアプランニングや広告運用のノウハウを掛け合わせて、SNSの広告メニュー開発やタイアップ広告の効果検証などを行っていくことを目的にしています。
電通・平林:我々が日々向き合っている出版社にとって、SNS上でどのように存在感を示していくかは重要な課題の一つです。その課題に取り組むにあたって、電通デジタルの力を借り、出版社とプラットフォーマー両者にとってWin-Winの関係を築いていけるような活動を目指しています。
Instagramマガジンパッケージとは
――「Instagramマガジンパッケージ」の概要を教えてください。
土屋:「Instagramマガジンパッケージ」とは、我々ソーシャルコンテンツプランニングユニットがFacebook Japanと提携し、開発・リリースした広告商品です。「Instagramマガジンパッケージ」は、出版社のコンテンツ制作力や編集力を生かして作られた高品質なクリエイティブを広告に活用する商品で、カルーセルフォーマットを使用して制作します。カルーセルフォーマットでは、1投稿につきInstagramは最大10枚の画像を投稿できますが、画像を左右にスワイプする動作を雑誌閲覧に見立てて、「マガジン」と名づけました。そこに運用型広告もセットにしてパッケージ化しています。
「Instagramマガジンパッケージ」では、出版社が制作したクリエイティブを出版社のInstagramアカウントから「タイアップ投稿」として投稿します。その後、そのクリエイティブをクライアント企業のInstagramアカウントから「パートナーシップ広告」として配信します。
これにより、1つのクリエイティブを使って出版社アカウントのフォロワーに加え、広告でターゲティングした幅広いユーザーに向けて広告をブーストすることができます。
クリエイティブ制作は出版社が行いますが、要件整理などのプランニングは電通 出版ビジネス・プロデュース局が担当し、広告配信・運用は電通デジタルが担当するという役割分担です。
平林:「Instagramマガジンパッケージ」は運用が一番のポイントです。与件に応じた媒体選定は電通 出版ビジネス・プロデュース局で対応します。実際の制作内容は出版社の編集部に考えていただき、運用に関しては電通デジタルが最適なプランニングを検討・提案します。
Instagramマガジンパッケージの5つの特長
――「Instagramマガジンパッケージ」の特長は何ですか?
土屋:1点目は、出版社アカウントからの発信により、信頼感の高い第三者推奨感を醸成できる点です。昨今のデジタルマーケティングにおいて、第三者の声を生かしたコンテンツ発信が、ユーザーから共感を得られやすく、非常に有効であるとされています。クリエイターや出版社のような“その道のプロ”が、第三者的なポジションで発信することで、情報の信頼感を高められる点は、クライアント企業にとって大きなメリットだと思います。
2つ目は、出版社の企画制作力を生かしたクリエイティブ制作が可能という点です。彼らはユーザーの深いインサイトを把握しており、心を捉えるクリエイティブを制作する能力が卓越しています。本座組には25年1月現在、約70のメディアが参画しており、豊富なバリエーションから与件・ターゲットに最適なメディアをプランニングできることも大きな強みです。
3つ目は、SNS完結型であること。カルーセル投稿なので画像内にある程度情報量を盛り込むことができ、Instagramの投稿内だけで認知から理解まで効率よく促すことができます。
4つ目は、SCPU側で広告のブースト運用が対応できること。良質なコンテンツを適切なターゲット層にリーチすることで、広告効果の最大化を図ります。パートナーシップ広告の座組を活用することで、通常広告を運用しているアカウントで運用のPDCAをしっかり回すことができるのは「Instagramマガジンパッケージ」の運用面での大きな強みだと思います。
5つ目は、Metaのデータクリーンルームで「Meta Advanced Analytics(MetaAA)」を活用した詳細な効果検証が可能であることです。データクリーンルームとは、個人情報を特定せずに企業がデータ統合や分析を行える分析環境です。これを活用することで、生活者の許諾を得たうえで、メディアへの接触、オフラインでの来店・購買などのデータを紐づけることができ、リアルな効果検証が可能になります。国内電通グループ(dentsu Japan) では、MetaAAに関して先進的な取り組みを続けており、掛け合わせられる外部データの種類が多いことに加えて、その活用実績もナレッジも豊富に蓄積されています。またMetaAAはローンチ当初より、Facebook Japanと提携、dentsu Japan内での拡販を強化しています。
パートナーシップ広告とは
――「Instagramマガジンパッケージ」が活用する「パートナーシップ広告」とは、どのような広告配信方法ですか?
電通デジタル・藤井:「パートナーシップ広告」とは、クリエイターが制作したオーガニック投稿を、企業やブランドが自社の広告として配信できる、Instagram広告の配信方法です。配信された投稿には「パートナーシップ広告」というラベルが付記されます。企業やブランドにとっては、自社アカウントフォロワー以外のユーザーにもアプローチでき、広くリーチを獲得できるメリットがあります。また、投稿の広告感が薄いため、広告を忌避するユーザー層へのアピール力が高いところも魅力です。
「Instagramマガジンパッケージ」においては出版社がクリエイターの役割を担っています。専門性や信頼度が高い出版社のアカウント上でブランドの商品を紹介することで、幅広いユーザーにストレートに訴求できるというのが大きなポイントです。
――「パートナーシップ広告」は第三者配信の仕組みを使った広告商品ですが、今なぜこの仕組みが支持されていると考えていますか?
藤井:背景には、広告に対する価値観の大きな変化があります。これまでのように、企業が一方的に製品やサービスの価値を提供して、広告を出稿し続けていけばモノが売れてきた時代は終わりました。今後は「ユーザーが体験に価値を置くコト消費」「特定の瞬間を楽しむトキ消費」に対応して製品やサービスの価値を提供しなくてはならない時代へ変化しています。このようなマーケティングの変化に伴って、ユーザー視点でのアプローチを意識していくことが非常に重要です。
それを体現する施策として我々が重視するのが、クリエイターやインフルエンサー活用であり、「パートナーシップ広告」です。今後マーケティング施策として、ますます欠かせない手段になっていくと予想しています。
媒体の拡充と縦型ショート動画に取り組んでいく
――「Instagramマガジンパッケージ」の今後の展望について教えてください。
平林:出版社が、SNSに代表されるデジタルプラットフォーム上で存在感を発揮していく上で、質の高いコンテンツ作りにとどまらず、それを最適なターゲットに情報を届け、効果検証をしてPDCAを回し続ける施策が求められていると感じます。「Instagramマガジンパッケージ」はそれを実現できる取り組みです。こうした取り組みを増やしながら、出版社が作るクリエイティブの価値と効果を多くのクライアント企業に伝えていきたいと思います。
藤井:「Instagramマガジンパッケージ」の参画媒体の追加やフォーマットの拡充を行っていきます。目先のフォーマット拡充でいくと、昨今のトレンドである”ショート動画”を活用したマガジンも展開を検討しています。また、現在「Instagramマガジンパッケージ」は同じ座組で「Xマガジンパッケージ」も展開しています。今後は、他媒体でもこの商品を展開していく予定です。電通 出版ビジネス・プロデュース局と電通デジタル ソーシャルプラットフォーム部の長所を掛け合わせて、相乗効果が発揮されるような取り組みを広げていきたいと思っています。
土屋:「Instagramマガジンパッケージ」のさらなる拡販はもちろんですが、やはり現在のショート動画のトレンドにはしっかり対応したいです。Metaの調査では、縦型ショート動画である「リール」の利用割合が50%以上という結果も出ており、Metaとしても注力している領域です。出版社にも縦型ショート動画制作に強い媒体がありますので、縦型ショート動画フォーマットにはぜひ取り組みたいと思っています。
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