2018年08月22日

エクスペリエンス

コラム

※所属・役職は記事公開当時のものです。

2020年10月、Google は「検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」の最新バージョンを公開しました。2019年12月以来、約10ヵ月ぶりの更新となります。

同ガイドラインの本来の目的は、Google 検索の評価基準を示すことです。

Google が「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命を達成するためには、ウェブページを統一された評価基準で公正に評価する必要があります。同ガイドラインではその基準である「Needs Met(需要との一致)」「Page Quality(品質・信頼性)」「ユーザビリティ」などの解説や、その評価例がすべて示されています。

そして同ガイドラインは同時に、長期的に成功するウェブサイトを作るための参考書として非常に役立ちます。

ガイドラインに示されている評価基準・評価対象は、言い換えれば「世界有数のウェブサイト鑑定家」であるGoogle の価値観や近未来像を示すものです。SEOに限らず、ウェブサイトの中長期的な改善を考えるうえでの有益な示唆を得ることができます。

本稿は以下の3部構成となります。

1.品質評価ガイドラインの概要
品質評価ガイドラインの簡潔な説明や、ガイドラインがSEOに役立つ理由など。
「品質評価ガイドラインの基礎情報を知りたい」場合は、こちらからご覧下さい。

2.Google の評価基準・評価範囲
Google 検索アルゴリズムの核となる「評価」の基準と対象。
「品質評価ガイドラインの中身を詳しく知りたい」場合は、こちらからご覧ください。

3.最新版の更新内容
最新版(2019年5月版)を含む、過去の変更点と、その真意を分析。
「最近のGoogle が、何を重視しているのかを知りたい」場合は、こちらからご覧ください。

1.品質評価ガイドラインの概要

Google 品質評価ガイドラインとは

Google が検索アルゴリズムの品質評価に利用するガイドラインです。Google 検索の評価基準・評価対象などが明記されており、中長期的なSEO方針の策定に役立ちます。

正式名称は「Google's Search Quality Evaluator Guidelines」ですが、「Google General Guidelines」「Google Search Quality Raters Guidelines」「Search Quality Rating Guidelines」などと呼ばれることもあります。

SEO・検索順位と「品質評価ガイドライン」の関係

「品質評価ガイドライン」には、Google がウェブサイトやページのどの点を、どのような基準で評価しようとしているかが明確に規定されています。

SEOを考えるうえで、現時点での問題点を分析するチェックリストとしての活用や、中長期的なサイトの戦略を考えるための参考資料として役立ちます。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • ガイドラインの評価方針が、すべて現時点の検索結果や順位に反映されているとは限らない

  • Quality Rater(品質評価者)の評価データが、実際の検索結果や順位に直接反映されることはない

以下の画像は、Google のアルゴリズム作成フローを示しています。青枠部分で、「品質評価ガイドライン」に準拠した調整が入ります。「品質評価者(Quality Rater)」と呼ばれる人々がガイドラインに従って、アルゴリズムが生成した検索結果を評価。合格したアルゴリズムだけが実地テストに進むことができます。

参考:Googleのアルゴリズム作成フロー
参考:Googleのアルゴリズム作成フロー[1]
参考:Google公式解説
参考:Google 公式解説[2]

画像に明記されている通り、品質評価者の評価がランキングに直接影響することはありません。しかし、Google 検索に正式に採用されるアルゴリズムは、すべて「品質評価ガイドライン」の規定に沿ったものになります。

「ウェブマスター向けガイドライン」と「検索品質評価ガイドライン」の違い

「Google のガイドライン」というと、コンテンツ改善のアドバイスやスパムへの手動対策に登場する「ウェブマスター向けガイドライン」を思い起こす方も多いはずです。「ウェブマスター向けガイドライン」と「品質評価ガイドライン」の価値観は共通していますが、以下の違いがあります。

ウェブマスター向けガイドライン

テクニカルSEOの基礎やスパム対策など、Google の最低限の要求を、やや抽象的に示しています。「SEOのスタートライン」を定めていると言い換えてもいいでしょう。

このガイドラインを満たしていないと、検索流入の激減などの深刻な問題が起きることがあります。しかし、このガイドラインを満たしただけでは、他のサイトとの競争に勝つことはできません。

品質評価ガイドライン

「ユーザー需要との一致」「コンテンツの品質」「使いやすさ」などについて、Google の理想・価値観を、とても具体的に示しています。「SEOの目標」を定めていると言い換えてもいいでしょう。

このガイドラインを満たしていなくても、深刻な問題が発生するとは限りません。しかし、安定して中長期的にSEOを成功させたいならば、品質評価ガイドラインは必見です。

図にすると、以下のような関係です。

Google ガイドラインとSEOの関係性(出典:電通デジタル)
Google ガイドラインとSEOの関係性
(出典:電通デジタル)

ウェブサイトのSEOを行う場合、まずは「ウェブマスター向けガイドライン」に対応することで基礎体力を整えることが最優先です。先に「品質評価ガイドライン」やその他の発展的施策を実施しても、土台がしっかりできていなければ十分な効果は上がりません。

まずは「ウェブマスター向けガイドライン」で基礎体力を整え、そのうえで「品質評価ガイドライン」で鍛え上げることで、SEOを効率的に改善できます。

品質評価ガイドラインの構成

導入部+全4章の計5パート構成になっています。

導入部:General Guidelines Overview
1章:Page Quality Rating Guideline
2章:Understanding Mobile User Needs
3章:Needs Met Rating Guideline
補足:Using the Evaluation Platform

1~3章にはウェブサイト改善のチェックポイント・Google の評価基準・ユーザー分析などの役立つ情報が豊富に含まれています。本稿では次ページで、1~3章の要点を解説します。

一方、導入部と補足は品質評価者向けの取扱説明書です。一般的なSEO専門家・ウェブマスターに役立つ内容は皆無なので割愛します。

評価の基準

「ユーザーが必要とする情報を、適切な形で提供しているか」を問うNeeds Met評価が、評価の基礎となります。ただし、それだけだと低品質なコピー・まとめ記事などが横行したり、操作性が極端に悪いページが評価されたりしてしまうため、ページの品質・信頼性を示すPage Quality評価と、ユーザビリティ(使いやすさ)で補正します[注1]。各項の詳細を、次ページで解説します。

Google の評価基準(出典:電通デジタル)
Google の評価基準
(出典:電通デジタル)

脚注

注釈

1. ^ 「ユーザビリティ」のみ「品質評価ガイドライン」内での用語ではないため、カタカナ表記で記載した。

出典

1. ^ "公式アルゴリズムの品質評価テスト: アイデアから実用化まで". Google 検索サービス公式サイト(2017年2月)2020年10月23日閲覧。2020年10月時点では存在しないため、Internet Archiveより引用。
2. ^ "Google 検索サービス公式サイト".(2019年10月)2020年10月23日閲覧。