コロナ禍の影響もあり、国内EC市場は大きく成長し続けています。メーカーにとって、ECモールに出店している流通/小売への販売支援の重要度も高まってきています。
楽天には、「楽天市場」へ出店していないメーカー(非出店メーカー)でも販売支援を行える方法が複数あります。本記事では、非出店メーカーが使える販促施策と事例、広告プロダクトをご紹介します。
コロナ禍の影響もあり、国内EC市場は大きく成長し続けています。メーカーにとって、ECモールに出店している流通/小売への販売支援の重要度も高まってきています。
楽天には、「楽天市場」へ出店していないメーカー(非出店メーカー)でも販売支援を行える方法が複数あります。本記事では、非出店メーカーが使える販促施策と事例、広告プロダクトをご紹介します。
小栗 : 日用品や食品の大手メーカーは、百貨店、スーパー、コンビニといった実店舗が売上のメインです。また、従来からの流通・小売との関係性もあり、流通を通さずにメーカーが「楽天市場」に出店をして、直接販売を行うのは、難しいケースもあります。
そのような状況でも、成長傾向にあるECでの売上をどうにか増やしたい、という思いを持つメーカーもいらっしゃいます。
メーカーが実店舗で棚どりをするのと同様、ECでも自社商材を見てもらえるようなアクションを希望されています。
筒井 : はい。「出店しなければ、「楽天市場」での販促は行えない」と思われがちですが、出店していなくても使える広告プロダクトの選択肢が増えています。
代表的なプロダクトの1つが、「 RMP - Sales Expansion 」です[1]。
「RMP - Sales Expansion」は、「楽天市場」の商品検索結果画面に広告を配信できるメーカー向けの広告プロダクトです。自社商品が「楽天市場」に流通しているメーカーであれば出稿が可能となっています。非出店メーカーでもJANコード単位で広告出稿でき、「楽天市場」内での認知拡大、および販促支援を行えます。
電通デジタルは、「RMP - Sales Expansion」の開発段階から関わっているため、この広告プロダクトへの理解が深く、セールスや運用知見の蓄積においても大きく他社に先んじています。
検索連動型広告である「RMP - Sales Expansion」の対象ユーザーは顕在層、興味関心層です。「楽天市場」でお買い物をするために回遊するユーザーに広告を表示し、広告をクリックしたユーザーのCV(コンバージョン)まで計測・分析が可能であり、売上増加に直接的に貢献します。
「RMP - Sales Expansion」の掲載イメージ[2]
広告出稿後に「RMP - Sales Expansion」のレポートを見ると、どの商品がどんなキーワードでクリックされやすく、どれほど露出したか、どれぐらい売れたのかなど、具体的なデータがわかります。メーカーにとっては、テストマーケ的な意味合いでも活用することができると思います。
また、電通デジタルでは広告プランニングや運用に限らず、「楽天市場」内のクリエイティブ支援までカバーしています。具体的には電通デジタルが作成した商品ページ素材を流通/小売各社に配布し、商品ページやサムネイル画像として活用していただいた事例があります。クリエイティブの改善や、統一感のあるキャンペーンの実施などを、流通/小売に負担をかけず、メーカー主導で実施することができます。
小栗 : 大手メーカーにて、季節イベントに合わせたキャンペーンを実施しました。このクライアント企業は以前から「RMP - Sales Expansion」を実施していましたが、さらに積極的な販促支援を行うにはどうしたらいいか? ということで、ご相談をいただきました。
「RMP - Sales Expansion」は購買意欲が高い顕在層向けの広告ですが、「RMP – Showroom」は、どういったニーズのユーザーに、どの商品を売るかを柔軟に設計できるので、認知層・検討層まで幅広くアプローチができます。今回私たちが考えたのは、シーズナルイベントに絡めてギフトとして展開するキャンペーン企画でした。
オフラインに広く流通しているこのメーカーにとって、スーパーやコンビニが主戦場であり、自家需要向けの商品が売上のメインです。ECでギフトとして売れる道筋が作れれば、リアル店舗の売上を侵食せず、EC売上を純増させることができます。
小栗 : まずは、ギフトに適した商品選定です。クライアントの販売する商品の中から化粧箱付きのギフトに適した商品などをピックアップし、キャンペーンの中心に据えました。
次に、流通/小売に配布するためのクリエイティブ作成です。流通/小売はさまざまなメーカーの多くの商品を販売しています。特定の商品だけ凝ったページを作るリソースも不足しがちです。だからこそ、できる限り負担をかけないように、メーカー側が細部までケアする必要があります。
一方で、ギフト目的で商品を購入するユーザーは、贈る相手に喜んでもらうために、商品の質やブランドの世界観を大切にして、商品を選定しています。ラッピングやのし紙の有無、デザインなど、細かいところまで気にかけ、心配しています。
そうした懸念をクリアにし、安心して購入していただくためにも、しっかりと商品ページを作り込むのは必要だということを強く意識して、実際の売り場を整えていきました。
あとは、クライアントを通してお渡しした素材を流通/小売店で簡単に設定できるように、マニュアルを作成し、場合によっては、実際にサポートに入らせていただきました。
小栗 : そうですね。そこまで徹底的にサポートするのは、広告を打つだけでは売れないからです。商品自体に魅力があり、ニーズに合致していることは大前提ですが、商品ページのデザインでこだわり、サイズ、レビュー、得られるベネフィットなどをしっかり伝えられるようにすべきです。また、カタログのような商品写真ではなく、お祝いの場にふさわしい、贈りたいと思わせる写真、お祝いをしたい側の気分を盛り上げるページを作るところまでやりきる必要があります。
他にも、ユーザーが想定している価格帯に合わせた商品のセット組みを考えたり、ユーザーが安心してギフトとして購入できる要素をページに盛り込んだり、私たちがお手伝いできることはたくさんあると感じています。
小栗 : ギフトとして選定した商品について、昨年対比で1.5倍の売上を上げることができました。
私たちがもう1つ大きな成果だと考えているのは、キャンペーンをきっかけに、この商品を取り扱ってくれる流通/小売が増えたことです。
キャンペーン終了後も、取り扱う流通自体が増えることにより、 リアル店舗にあまり配荷されない商品に光を当てられたのは、ECならではとも言えます。
また、メーカー担当者の方には、ECで売上を増やすために、リアル店舗で必要とされる流通/小売との密な連携と同様に、ECにおいてもそれらが必要であることを今回実感していただけたと感じました。
筒井 : キャンペーンをきっかけに、これまであまりお付き合いがなかったネット流通/小売とのつながりが生まれたことで、今後さらに施策の幅を拡げていくための土台づくりもできました。「楽天市場」との連携も深まり、今後メーカーとして取り組みやすい状況になっていくと思います。
筒井 : 第一に、電通グループと楽天グループの強い関係性です。「RMP - Sales Expansion」もそうですが、楽天会員に基づく消費行動分析データを活用した 運用型広告プラットフォーム「RMP - Connect」は、2021年2月からβ版の開発をサポートし、2022年9月から電通グループで先行利用を開始しました[5]。
広告プロダクトを共同で開発する深いつながりがあり、それによって得られる先行優位性、情報キャッチアップの早さは、非常に大きな強みです。
小栗 : 設計から、ページ制作、販促、売り場へのフィードバックを、クライアント企業の社内事情を理解しながら細やかに対応・伴走できる点が、電通デジタルならではの強みだと思います。
筒井 : 非出店メーカーが「楽天市場」内で販促支援を行う場合、担当部署はどこになるのか、どうやって売上を追っていくのか、などが問題になることがあります。今なおこの領域は空白地帯扱いというケースも珍しくありません。私たちはクライアントの課題感や問題意識に合わせてさまざまなケースで、柔軟に打ち手を設計し、これまで多々サポートしてきた経験があります。ぜひお気軽にご相談ください。
1. ^ "楽天、「楽天市場」の商品検索結果画面に運用型広告を配信できるメーカー向け広告プロダクト「RMP - Sales Expansion」を提供開始". 楽天(2020年9月15日)2023年2月9日閲覧。
2. ^ "楽天の広告資料". RMP navi. 2023年2月10日閲覧。
3. ^ "RMP - Sales Expansion/ RMP - Brand Gateway/ RMP - Showroom". RMP navi(2021年4月9日)2023年2月9日閲覧。
4. ^ "BRAND PLACE". 楽天市場(外部サイト)
5. ^ "楽天会員に基づくデータを活用したマーケティング基盤「RMP - Connect」の先行利用を開始". 電通デジタル(2022年9月20日)2023年2月9日閲覧。
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