電通デジタル(旧電通アイソバー)は、クライアントに対し良質な顧客体験(CX)を提供するための包括的な支援を行っております。そのような支援の一環として行動ログ、CRMデータ、サードパーティデータなど様々な定量・定性データを用いてCXサービス/プロダクトの現状分析からあるべき姿のビジョン策定を提供しています。現状分析に関しては一部の専門部署の社員だけでなく、リサーチ/分析の知見を持つ、多様なバックグラウンドを持ったさまざまな部署の社員が「クライアントの課題およびインサイトを導き出してお客様の成果を最大化にすること」を目的として、自主的に情報発信、勉強会の開催などを行っています。電通デジタル(旧電通アイソバー)では前述した目的を達成するために様々な定量・定性調査を実施、調査・分析ツールを活用していますが、今回はヤフー社が提供しているデスクリサーチツール「DS.INSIGHT for Partner(以下、DS.INSIGHT)」の導入事例を基に、ヤフー社と電通デジタル(旧電通アイソバー)が実施した取り組みおよび、社員がどのように活用しているのかをご紹介します。
※所属・役職は記事公開当時のものです。
はじめに、DS.INSIGHTを簡単にご紹介します。DS.INSIGHTは2019年に提供が開始されたヤフーの行動ビッグデータ(検索データと人流データ)を分析できるデスクリサーチツールです。
類似のツールと比較しての強みは①データソースが(ユーザー数が多い)ヤフーである、②キーワードに性・年齢や地域といった属性情報をクロスし分析できる、③時系列分析できる、という3点です。
DS.INSIGHTの詳細については以下リンクを参照ください。
https://ds.yahoo.co.jp/insight/
※ヤフー・データソリューションは、お客さまのデータを統計データとしたうえでデータの可視化や分析結果をご提供するサービスであり、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) については、お客さまから新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。
導入の経緯
もともとはサーチ/コンテンツマーケティングのコンサルティングにおけるサービス品質向上を狙って導入しました。そのため最初は部署を限定した利用を考えていましたが、DS.INSIGHTのポテンシャルが想定以上に高そうであったこと、マルチログインが可能かつ最大で100IDまで発行ができたこともあり、社内で広くユーザーを募って利用することにしました。社内で広くDS.INSIGHTを浸透させていくにあたっては主に以下のアクションを行いました。
類似ツールとのデータの比較/フィジビリティ把握
導入前に、類似ツールとどのように違うのかを検証すると共に、弊社社員にヒアリングを行い現状の課題を洗い出して、課題解決に必要な機能が備わっているかという検証も行いました。導入後、限られたメンバーで実際の案件でトライアルを行い、どのような場面でどのように活用出来るのかを明確にしてから全社に対して導入の告知を行いました。
ヤフー社の方をスピーカーとしてお招きして全社向けの勉強会の実施
コロナ禍以前は社内会議室に講師と参加者を集めて勉強会を開催していましたが、会議室のキャパシティ問題もあり、社内の限られたメンバーのみとすることもありました。コロナ禍を機にオンライン会議システムにて、勉強会を開催することにしました。今回はヤフー社の方をスピーカーとしてお招きして、全社の希望者を対象にオンライン勉強会を開催したところ、弊社の東京拠点以外からもたくさんの社員が勉強会に参加することができ、チャット機能を使用することで以前よりも活発な議論・質疑応答が繰り広げられたりするようになりました。また、録画機能を使うことで当日参加出来なかった方が後日視聴したり、実際に受講された方が復習で視聴したりするケースが増え、以前よりも社員のツールに対する認知度、活用度が高まりました。
フォローアップ、サポート体制の構築(各種ドキュメントの整備等)
DS.INSIGHT導入後は社内の部署単位で勉強会の開催や、マニュアルの作成の実施などを行いました。また、ヤフー社でもnote上にユーザーマニュアルが用意されていたり、メールマガジンやオンラインセミナーを介し、基本的な使い方からやや応用的な活用法まで定期的な情報提供があったりと、アフターフォローもかなり手厚くご協力いただいています。
活用シーン
社内で広くDS.INSIGHTを浸透させた結果、電通デジタル(旧電通アイソバー)ではDS.INSIGHTを多種多様なメンバーが活用しています。ここではDS.INSIGHTをよく活用しているメンバーから集めた声や事例をご紹介致します。
マーケティングコンサルタントAさん:SEOやコンテンツマーケティングにおいて活用
以前はキーワードリサーチにおいてGoogleキーワードプランナーを主に使用していましたが、DS.INSIGHTも併用することでよりリッチで多面的な提案ができるようになったと実感します。
Googleキーワードプランナーでは取得できないタイプのキーワードのデータも取得できる点、データの反映が早く、バズワードや新語にも対応しやすい点もメリットと感じています。
アナリストBさん:店舗コンサルティング / 店舗告知の配信を行う際に活用
クライアントに提案する際の根拠、マーケティング上の課題(解決するべき課題)の抽出、仮説の検証を行う際に活用しています。
以前、クライアント企業様の店舗のお知らせを配信する際のターゲティング検討時にDS.INSIGHTを使わせていただきました。実際にその地域に訪問されている方の属性、来訪元、関心キーワード等を把握することができ、効率良く配信や販促を行うことができました。
検索だけでなく、位置情報の統計データの可視化も出来る点がこのツールの良いところだと思います。
下記は弊社東銀座オフィス(東銀座駅)周辺の状況を表したものになります。来訪者・住民の性別・年代別が分かる他、来訪者の来訪元がわかる点が大変魅力的です。
プランナーCさん:サイトリニューアルの際のユーザーニーズ調査に活用
コンテンツ提案の際の根拠出し、インサイトの調査や仮説の検証の際に使用しています。直近ではサイトリニューアルの際のユーザーニーズ調査に活用をしました。男女比、地域傾向、時系列などの画面を用いるケースが多いです。
下記は性別・年代別割合、検索前後のキーワードを可視化したものです。
ソーシャルプランナーDさん:LINE投稿の運用業務で活用
LINE投稿のターゲットを決める際にDS.INSIGHTの属性データを参考にしています。
他にシーズナルイベント向けの投稿をする際の最適な日時の検討や競合との比較などにも活用しています。
アカウントEさん:広告運用業務で活用
リスティング広告のキーワード探し/広告文の参考やコンテンツ開発のテーマ探し、
ディスプレイ広告用バナーの訴求軸のヒントとして活用しています。
ヤフー株式会社様からのコメント
電通デジタル(旧電通アイソバー)様とお取組みする中で、驚いたことが2点あります。
- 早い段階から社内のご調整や勉強会の開催、ライセンス発行をいただくことで、スピーディにツールが浸透したこと
- データ活用には仮説の設計や解釈が必要だが、ほとんどの方がそういった視座に立ち利用していること
顧客理解の解像度を上げることができるツールのため、引き続きCX向上の支援に活用いただきたく考えています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
電通デジタル(旧電通アイソバー)では今回取り上げたDS.INSIGHT以外にも様々なツールやアイデアを用いたサービス提供およびクライアントの幅広い課題を解決出来るよう日々スキルアップの向上および知見の共有を社員同士で行っております。
もしCXを重視したデジタル体験の設計や改善に興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、
是非一度お声がけください。
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