2019年6月28日、TECH PLAY SHIBUYA(東京・渋谷)にて開催された「事例に学ぶ LINEを活用したカスタマー・エクスペリエンス(CX:顧客体験)デザイン ~ユーザーに使われるサービスの作り方~」。
ここでは、顧客とブランドがエンゲージメントを構築する施策を展開するにあたり、LINEでどのようなCX改善や革新を起こせるかについて、事例を交えて発表しました。
本稿では、LINE株式会社様、電通アイソバー(現 電通デジタル)が紹介した内容をお伝えします。
※所属・役職は記事公開当時のものです。
約8,000万人にリーチするプラットフォーム・LINE
「LINEの考える顧客起点のCX」というテーマで登壇した、LINE株式会社BtoBマーケティング室マーケティングスペシャリストの木本亜希氏。冒頭、LINE@のLINE公式アカウントへの統合化など、昨今のニュースに触れた上で、その豊富な広告プロダクトについて、次のように解説しました。
「LINEは、月に1回以上アプリを利用するユーザーのうち、約86%が毎日利用している、日常に欠かせないサービスとなっています。国内における月間利用者数(MAU)は8,000万人を超え、若年層はもちろん年齢の高い方々にも利用されています。
こうしたユーザーに向け、ファネルごとに最適な広告プロダクトもご用意しています。まず、ブランドや製品・サービスの認知を目的としたシンボリックな広告プランである『プロモーションスタンプ』や、ディスプレイ型の広告『LINE Ads Platform』のファーストビューなどです。また、LINE公式アカウントは、ファン化や継続顧客化に貢献するメニューだと言えます」。
このなかでも、機能強化やAPI連携機能が拡充されたLINE公式アカウントは、「企業にとっての顧客や見込み顧客のCXを向上させるのに最適なプラン」と、木本氏は話します。
LINEによるCX改善で得られるメリット
木本氏は「企業は、さまざまなファネルに存在するユーザーに対しLINEというプラットフォームを活用することで、接点を持てるようになります」とし、最後に「LINEを活用する利点は主に次の3点が挙げられます」と、締めくくりました。
【LINEを活用する3つの利点】
- 圧倒的なユーザー数(国内8,000万人のMAUも高い)へのリーチ
- 日常的に使われるLINEのUI/UXにユーザーは慣れているので、ストレスなく利用してもらえる
- 自社のマーケティング・オートメーションツールとLINEアカウントとの連携で、ユーザーのステータスに合わせたコミュニケーション施策を打つことができる
顧客視点のCX実現のためのフレームワーク
木本氏が解説する通り、LINEは、ブランドの顧客に対し、より良質なCXをもたらすことができるプラットフォームだと言えるでしょう。しかし、実際に行なう企画そのものが顧客視点で検討されていることも間違いなく重要です。
電通アイソバー(現 電通デジタル)の本部長エクスペリエンスデザイン1部部長の潮田健一郎は、「近年、テクノロジー領域はどんどん進化し、顧客とのコミュニケーション施策としてできることは革新的に増えています。しかし、企業の中には『本当にやりたいことが実現できていない』と感じている向きもあるようです」と問題提起した上で、「このように、日々進化するテクノロジーやデータにクリエイティビティをかけ合わせ、オンラインとオフラインを横断し複雑化する顧客接点から、360度・365日、それぞれの媒介でどのようなことを伝え、どのように感じてもらうのかCXデザインを通じて人とブランドをつなげるのが電通アイソバー(現 電通デジタル)の役割です」と自社のソリューションを紹介しました。
CXに革新を生み出すためのプロセス
実際にCXデザインをするにあたり、潮田は、「クライアントの中には、顧客との接点を持つ部署がいくつもあるけれど、それぞれが持つ認識が必ずしも共通であるわけではないことがあります。これを共有し、CXチャートという独自に作ったツールを用いて、現状のクライアントの顧客がどのようなタッチポイントを持っているのか洗い出し、ペインポイントを整理し、先入観なしに顧客のインサイトを洗い出しつつ、カスタマージャーニーを改善して、施策に落とし込んでいく、という流れを踏み、施策を実行しています」とし、これを踏まえてCX革新を行なった事例を紹介しました。
禁煙サポート商品の購入者が成功するまで支えるCXを設計
課題の把握
「禁煙の意向を持つひとに、いかに商品を認知させられるか?」という課題を抱えていた企業に対し、電通アイソバー(現 電通デジタル)が最初に行なったのが定量調査でした。これによって、過去に禁煙にチャレンジしたひとは「ひとりで我慢する孤独感」あるいは「意志や意欲などの欠如」といったことが、禁煙成功に至らない原因となっていたことを把握しました。
導き出したCX革新プラン
課題を踏まえて導き出した施策の核が、「禁煙成功までをサポートしていく。成功するまで支える」ということです。
これを実現するため、ダイアリープログラムを開発。ここでLINEを活用し、チャットルーム上で励ましたり、共感したりする、という演出を実践しました。また、商品の認知からダイアリープログラムまでのクリエイティブを統一。脅迫型ではなく共感型のコミュニケーションを展開していきました。
最後に潮田は、電通アイソバー(現 電通デジタル)は「ひとを中心に据え、共感と理解をする力。ブランドとユーザーの関係性をdesignする力、CXを進化させるためのテクノロジーやデータの力、一貫したCXを生むタッチポイントのクラフト力、改善を繰り返し、CXの質を高め続ける力を提供し、CXデザインファームとしてクライアントの課題解決に調査から実行まで伴走することで、最適なCXを実現していきます」と、述べました。
質の良いUXは、企業にも良い影響をもたらす
「オラクル社が実施した調査によると、生活者の89%が「不満足なユーザー体験が理由で他のブランドに乗り換えたことがある」と回答しているとのことです*。
(*出典:2011 Customer Experience Impact Report)
このことから、ユーザーに利用され続けるサービスやプロダクトを提供するためには、心地よいCXを提供することが重要であることが分かるでしょう。
CXの改善と向上は、顧客のためであると同時に、企業がより確実にビジネスを推進する上でも有益だ、と言えそうです。
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