Google 品質評価ガイドライン解説(2018年7月版)

Google検索アルゴリズムの評価対象・評価基準を示した「品質評価ガイドライン」の概要や最新事情を解説。

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2.Google 品質評価ガイドライン解説(評価基準・評価対象)

このページでは、Google の「品質評価ガイドライン(General Guidelines)」の評価基準・評価対象を解説します。ガイドラインの概要を知りたい方はこちらを、2018年7月の更新内容を確認したい方はこちらをご覧下さい。
※記事内のセクション番号・セクション名は2018年7月版に準拠

■目次

基礎概念・評価対象

評価の基本方針

最も重要なのは、コンテンツが「ユーザーの需要に合った質・量の情報を、最低限の手間で提供できるか」という点を問う「Needs Met」です。評価を高めるには、ユーザーの役に立つ情報を、適量で届けることが必須です。

しかしNeeds Metだけで評価すると、低品質なコピー・リライト・まとめ記事などが排除できないという問題があります。過去のGoogle は「ユーザーの需要に合ったコンテンツであれば、品質や信頼性が低くても構わない」という方針を採用しており、低品質コンテンツの量産を招いてしまいました。

Google  のPaul haahr氏による、2009年~2011年ごろの状況解説。「低品質でも、関連性が強い情報であることが大事」という考えが、コンテンツファームの氾濫を招いた。(出典:https://www.slideshare.net/SearchMarketingExpo/how-google-works-a-ranking-engineers-perspective-by-paul-haahr)Google  のPaul haahr氏による、2009年~2011年ごろの状況解説。「低品質でも、関連性が強い情報であることが大事」という考えが、コンテンツファームの氾濫を招いた。(出典:https://www.slideshare.net/SearchMarketingExpo/how-google-works-a-ranking-engineers-perspective-by-paul-haahr)
Google のPaul haahr氏による、2009年~2011年ごろの状況解説。
「低品質でも、関連性が強い情報であることが大事」という考えが、コンテンツファームの氾濫を招いた。
(出典:https://www.slideshare.net/SearchMarketingExpo/how-google-works-a-ranking-engineers-perspective-by-paul-haahr

そうした状況を改善するために、現在のGoogle は情報の品質や信頼性を問う「Page Quality」評価による補正を加えています。情報の品質・信頼性を高めるとともに、その根拠をウェブ上で明示する必要があります。

上記を満たす「役に立ち、高品質な情報」でも、レイアウトが崩れて読みにくかったり、表示に数分かかったりするようでは価値が低下します。そのため、「ユーザビリティ」の観点から最後の補正を加えます。スマートフォン・PCの双方で、ストレスなく使えるサイトであることが求められます。特に近年はスマートフォン利用者が主流なので「スマートフォンでの使い勝手」が重視されます。

評価を最適化するためには、以下の3点を満たすページ・ウェブサイトにする必要があります。

Google の評価基準(出典:電通デジタル)Google の評価基準(出典:電通デジタル)
Google の評価基準(出典:電通デジタル)

ページの目的

ページには「情報の共有」「意見の発表」「商品・サービスの販売」など、なんらかの目的が存在します。Googleはこの「ページの目的(Purpose of the page)」を起点としてNeeds Met / Page Qualityの評価を行うため、非常に重要な概念です。以下の要件の内、一つでも満たしていないページは評価に値しません。

①目的が「ユーザーの役に立つ」ことである

……金儲けだけが目的でユーザーに対して価値を提供しないページや、ユーザーの役に立つコンテンツが皆無のページは、評価に値しません(セクション7.1、7.2、7.4等)。

②目的が「公益・良識に沿った」ものである

……フェイクニュースヘイトスピーチなどの悪意の情報や、疑似科学陰謀論などの一般常識に反するコンテンツは、それらを信奉する人たちにとっては役立ちますが、そうでない一般大衆には役立たず、有害であることもあります。これらに該当するページも、低品質と評価します(セクション7.3、7.5等)。

③目的を「達成」できている

「商品販売ページなのに、商品の詳細情報が不明」「Q&Aフォーラムの真面目な質問投稿だが、現時点では明確な回答がない」などのページが該当します。それぞれ「商品を売る」「悩みを解決する」という目的は有益ですが、それを達成できていません。これらのページも低く評価されます(セクション6.0等)。

「ページの目的」に応じて、必要とされるコンテンツの内容・量や信頼性も変化します。これらについては後段「評価基準」で解説します。

コンテンツの区分

ページの中身を「メインコンテンツ」「補助コンテンツ」「広告など」の3つに区分します。
通販サイトの「Tシャツ」販売ページを例に説明します。ページの目的は「このTシャツを買うか買わないかを決めること」です。

メインコンテンツ

……「ページの目的」と直接かかわる、ページの中心となるコンテンツです。Tシャツの画像・商品詳細・価格等が該当します。

補助コンテンツ

……目的達成を補助したり、関連性がある別の目的に切り替えたりするための機能です。色・サイズでの絞り込み機能・他ブランドのTシャツのリコメンド機能・ウェブサイト内の他ページへのナビゲーション等が該当します。

広告・その他

……マネタイズ・イベント誘導など、「ページの目的」以外の目的を持つコンテンツです。広告・セール告知のポップアップ等が該当します。

品質評価では「メインコンテンツ」の中身が評価の中心となりますが、「補助コンテンツ」「広告・その他」も評価の対象となります。

有益な「補助コンテンツ」があれば評価が向上します。一方で「補助コンテンツ」が不足していたり、「広告・その他」が邪魔だったりすると、評価が低下します。また、「補助コンテンツ」「広告・その他」に性的なコンテンツ・グロテスクな画像・釣りタイトルでの誘導など不快なコンテンツが含まれている場合も、評価は低下します(セクション6.4等)。

評価基準

①Needs Met(需要との一致)

コンテンツが「ユーザーの需要に合った質・量の情報を、最低限の手間で提供できるか」という点を問う、評価の上で最も重要な要素です。評価は5段階。HM+(HM以上だが、FullyM以下)といった、中間の評価もあります。

1:Fully Meets (FullyM)……最高評価。指名検索など、限定的な状況でしか利用しない。

2:Highly Meets (HM)……高評価。ユーザー需要に一致し、かつPage Qualityが高いことも必須。

3:Moderately Meets……普通。

4:Slightly Meets……低評価。価値が無いわけではないが、大きな欠点があるページが該当する。

5:Fails to Meet (FailsM)……最低評価。「Page Qualityの深刻な欠如」「スパム」「メインコンテンツ無し」など、無益なページ。

高評価を獲得するためには、以下の3点を全て達成することが必要です。

1:内容……ユーザーが求めている情報を提供し、余分なものを含まない。

2:量……需要に応じて、適切な量の情報を返す。

3:簡便性……ユーザーが、迅速かつ最低限の手間で目的を達成できる。

「ページの目的」に応じて、それぞれのバランスを取ることが重要です。特に「量」と「簡便性」が見逃されやすいので、注意しましょう。

「Yシャツ 通販」で検索する場合を考えてみましょう。ユーザーの目的は「通販で買うYシャツを選ぶこと」です。「質」としては、高品質な商品を、複数展示する商品一覧を作成することが望ましいでしょう。では、「量」と「簡便性」はどうでしょう?

「取捨選択だけでなく、購入までこのページ内で完結したほうが高品質」と考え、各ブランドの歴史・記事の種類と特徴・人気のデザインや色の変遷などの選択補助や、商品詳細・購入手続きなどの購入補助 を。全て詳しく描写したらどうでしょう。確かにユーザーの役には立つでしょうが、「Yシャツを選ぶ」という目的に対しては情報過多になりかねません。それらの情報は、ユーザーが必要な量に要約し、詳細は別ページに掲載したほうが良いでしょう。

また、「できるだけ多くの商品を、自由に選べるのが高品質」と考え、商品全件を無選別で一覧表示し、絞り込み機能もないページにしたらどうでしょう。選択肢は広がりますが、本当に納得できる商品を選ぶためには手間がかかりすぎます。「選ぶ」という目的達成の手間を減らすために、色・サイズなどによる絞り込みや、購入者レビュー・人気などの補足情報が必要です。

ページの目的に応じて、「質」「量」「簡便性」のバランスを取りましょう。

②Page Quality(品質の高さ・信頼性)

Needs Metだけでは、その情報が本当に信頼できるものなのか、それとも信頼性に欠ける低品質な引き写し・まとめ記事であるかは判断できません。「情報が高品質で、信頼できるか」を問う「Page Quality」の評価を行うことで、Needs Metの評価を補正します。

評価は、Needs Metと同じ5段階+中間評価。

1:Highest……最高評価。以下のHigh評価の要件を満たし、専門性・質・評判のいずれかが傑出。

2:High……高評価。専門性・コンテンツの質・評判がいずれも極めて高く、責任の所在も明確。

3:Medium……普通。

4:Low……低評価。High評価の要件のいずれかに大きく欠けている。

5:Lowest……最低評価。要件の深刻な欠損や、フェイク・ヘイト・常識外れのページ。

信頼性を考えるときに重要なのが、「E-A-T」と「YMYL」という概念です。

E-A-T

Google は信頼性をExpertise、Authoritativeness、Trustworthyの3種に区分し、「E-A-T」と呼んでいます。コンテンツに応じた、適切なE-A-Tが無い場合、評価が低下します。

E-A-Tの内容(出典:Google  品質評価ガイドライン(セクション3.2)、電通デジタル)E-A-Tの内容(出典:Google  品質評価ガイドライン(セクション3.2)、電通デジタル)
E-A-Tの内容
(出典:Google 品質評価ガイドライン(セクション3.2)、電通デジタル)

YMYL

特に、ユーザーの健康・財産に深刻な影響を与える「YMYL(Your Money, Your Life)」関係のコンテンツでは、特に高いE-A-Tが求められます。2017年末に日本で実施された「医療・健康系アップデート」はこの評価が顕著に表れたもので、医療・健康に関するキーワードではE-A-Tが担保できているウェブサイトが評価されやすくなりました。

ただし、YMYLは医療・健康だけを対象にしたものではありません。以下のように「健康・財産に影響するもの全般」をカバーする広い概念なので、他の分野でもE-A-Tに配慮することは必須です。

YMYLの内容(出典:Google  品質評価ガイドライン(セクション2.3)、電通デジタル)YMYLの内容(出典:Google  品質評価ガイドライン(セクション2.3)、電通デジタル)
YMYLの内容
(出典:Google 品質評価ガイドライン(セクション2.3)、電通デジタル)

E-A-Tの注意点

E-A-Tを満たすために「制作・監修体制の充実」「適切なトピック選定」等の取り組みが必須なのは当然ですが、同時に「品質・信頼性が高いことを、Google が理解しやすいようにすること」が重要です。

品質評価ガイドラインではウェブサイト・コンテンツ作成者の信頼性を判断するための参考として「ウェブサイト内に掲載された情報(セクション2.5)」「外部での評判(セクション2.6)」を例示していますが、信頼性を示す根拠はそれだけではありません。検索エンジンが「このウェブサイトはどのようなウェブサイトか」「この記事の制作者は誰で、その人はどんな人か」などを理解しやすいよう、ウェブページ・ウェブサイトの設計を整えましょう。

③ユーザビリティ(使いやすさ)

「役に立つ」「高品質」な情報でも、操作しにくい・読みにくいなどストレスを感じるようでは、価値が損なわれます。そこで、使いやすさを問う「ユーザビリティ」が最後の評価補正を加えます。

ガイドライン内では特に「スマートフォンで使いやすいこと(セクション12.0)」と、「ユーザーの目的達成を邪魔しないこと(セクション7.2.7等)」の二点に言及しています。前者後者とも「モバイルフレンドリー」というアルゴリズムに組み込まれており、スマートフォンで使いにくいページは、モバイル検索での順位が下がります。

ガイドラインでは言及されていませんが、アルゴリズムに組み込まれている「表示速度」や「安全性(HTTPS)」も重要な要素です。両方とも検索順位への影響は微々たるものですが、ユーザーの行動に大きく影響する要素です。

表示速度が遅ければ、待ちきれないユーザーは離脱します。

参考:表示速度と直帰率・コンバージョン率の関係(出典:https://www.soasta.com/wp-content/uploads/2017/04/State-of-Online-Retail-Performance-Spring-2017.pdf)参考:表示速度と直帰率・コンバージョン率の関係(出典:http://web.archive.org/web/20180620000833/http://www.soasta.com/wp-content/uploads/2017/04/State-of-Online-Retail-Performance-Spring-2017.pdf)
参考:表示速度と直帰率・コンバージョン率の関係
(出典:http://web.archive.org/web/20180620000833/http://www.soasta.com/wp-content/uploads/2017/04/State-of-Online-Retail-Performance-Spring-2017.pdf

そして、HTTPSで適切に保護されていないページは、Google Chromeで警告が表示され、ユーザーに不安を与えます。

参考:Google ChromeのHTTP/HTTPS表示(出典:電通デジタル)参考:Google ChromeのHTTP/HTTPS表示(出典:電通デジタル)
参考:Google ChromeのHTTP/HTTPS表示
(出典:電通デジタル)

「Needs Met」「Page Quality」「ユーザビリティ」の関係性

「3つの評価の中で、どれが最も重要なのか」という質問をよく受けます。
当社は、評価への影響力の強さは「Needs Met > Page Quality > ユーザビリティ」であると考えています。

Needs Metが主、Page Qualityが従であることは、セクション15.0「The Relationship between E-A-T and Needs Met」に明確な規定があります。特に冒頭の「ユーザーの需要に合わないページは、どんなに高品質でも評価は“最低”になる。役に立たないものは、役に立たないので。」という一文が明快です。

但し、Page Qualityの高低は、すべての検索結果に影響します。また「ユーザー需要との関連性が強いページでも、E-A-Tが低ければ低評価になりうる」「Highly Meets / Fully Meetsには、高いPage Qualityが必須」(いずれもセクション15.0)など、強い補正がかかります。

ユーザビリティの位置づけはどうでしょう。

Needs Metに対しては「役に立たないものは、(どんなに使いやすくても)役に立たない」と考えれば、従属するのは明らかです。

Page Qualityとの優劣は明言されていません「役に立つコンテンツがあり、品質は高いが、使いにくい」ページと「役に立ち、使いやすいが、品質は低い」ページのどちらを優先するかは、人によって意見が分かれるところかと思います。

最近のGoogle のアルゴリズムは、「Page Quality」を「ユーザビリティ」よりも強く評価に反映させる方針です。2017年の「キュレーション対策アップデート」「医療・健康系アップデート」など、Page Qualityを重視したアップデートは、検索順位(=評価)にも大きく影響します。一方、表示速度を評価する「Speed Update」や、安全性を評価する「HTTPSのシグナル採用」は、検索順位にほぼ影響しません。

但し、「Page Quality」や「ユーザビリティ」を軽視してよい、ということではありません。「Google の評価」という狭い世界だけを見ても、3者が揃わなければ高評価はされません。また、Google の評価を抜きにしても、3者は1つも欠かしてはいけないポイントです。

Needs Metが低い、ユーザーの需要に合わないコンテンツは利用されません。Page Qualityが低ければブランドイメージの毀損・炎上・訴訟などのリスクを抱えることになります。そしてユーザビリティが低ければ、直帰の増加やコンバージョン率の低下により、ウェブサイト自体の存在目的を達成することはできません。

「Needs Met」「Page Quality」「ユーザビリティ」という概念は、SEOだけではなく、コンテンツ作成の一般原則としても役立ちます。

この概念を、コンテンツ設計に落とし込むと以下のようになります。

コンテンツの設計方針(出典:電通デジタル)コンテンツの設計方針(出典:電通デジタル)
コンテンツの設計方針(出典:電通デジタル)
①ページの目的(画像右側の的)を定める。
当社では以下の2点に分解し、「ページの目的」を設定します。
  • 1: 需要……ユーザーが求めるものは何か?
  • 2: 目的……ユーザーがこのページを訪問した後に、どのような状態になっていることが望ましいか?
    「需要」だけを考えてしまうと、コンテンツが肥大化しすぎてNeeds Metの要件である「適量」を超えてしまうことがあるため、「目的」を切り分けています。
②「Needs Met」を意識して、コンテンツの概要を定める。
③「Page Quality」を意識して、コンテンツ制作体制とサイトの設計を定める。
④「ユーザビリティ」を意識して、ページの構成を定める。

②~④は、いずれも①「ページの目的」の方向を向いていることが前提です。左枠の各項にも注意して、コンテンツを作成します。

品質評価ガイドラインは随時更新されており、最近では2018年7月に更新されました。

次ページでは、更新の内容と意義を解説します。

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