電通デジタルのエクスペリエンス&プロダクト部門 クリエイティブプランニング第1事業部に所属するクリエイティブテクノロジスト 藏本 航らが提案したプロジェクトが、独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)の「2025年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)」に採択されました。
2025.05.28
採択されたプロジェクトは、「量子アニーリング技術のエンターテインメント活用と先端技術を社会実装する手段としてのゲームの可能性の模索」です。
未踏ターゲット事業は、革新的な次世代ITを活用して世の中を抜本的に変えていけるような先進分野について、基礎技術や領域横断的技術革新に取り組むIT人材に対し、支援を行う事業です。研究開発が進む新たな技術プラットフォームを用いる分野、数学等の専門性を必要とする分野等のなかから事前にテーマを定め、そのテーマに取り組む人材を募集し、プロジェクトマネージャーや関連する企業・大学等と連携して育成、支援を行います。採択者は、自らが提案するテーマの実現を目指すプロジェクトを通して、自身の能力の向上を図ります。
藏本はXRや生成AIなど先端技術を活用したプロジェクトに携わっており、これまでの知見や実績を生かしたプロジェクトの提案に至りました。
採択されたプロジェクトの概要
本プロジェクトでは、量子アニーリングを活用したゲーム開発を通じ、量子技術の社会的な認知向上と実装促進を目指す。従来の量子コンピューティングをテーマとしたゲームはプロトタイプ的な作品が多く、専門家向けになりがちだったが、本プロジェクトでは、単なる技術のデモにとどまらず、遊びの楽しさ(遊戯性)や繰り返し遊べる魅力(リプレイ性)、遊びながら自然に量子技術への理解が深まる仕組み(理解性)をアートの視点から追求。さらに国内外のゲームイベントや科学展示への出展、メディアやパブリッシャーとの連携を通じて、専門家以外の一般ユーザーにも量子技術の面白さや有用性を広く伝えるための施策も併せて検討する予定。
プロジェクトの採択理由
アニーリング技術とエンターテインメントを融合させるという、これまでにない斬新な提案である。本プロジェクトは、最適化技術をより広範な層へと波及させる手段として、ゲームという表現形式の可能性を追求するものであり、その意欲的な挑戦への意気込みが高く評価できる。提案チームは、アート、デザイン、そして最適化理論に対する深い知見と多様な専門性を備えており、本提案の実現可能性は極めて高い。本プロジェクトを契機として、アニーリング技術が社会的認知を高める未来が拓かれることを、大いに期待している。
藏本のコメント
「量子アニーリング技術の可能性を広く社会に伝えるために、ゲームという手段を選びました。テクノロジーとクリエイティブの融合が、新たな価値を生み出すと信じています。今回のプロジェクトを通じて、先端技術の社会実装に貢献できることを嬉しく思います」
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