CVR向上の常識が変わる。「∞AI LP」が実現する新たなLP改善プロセス

2025年3月に提供を開始した「∞AI(ムゲンエーアイ) LP」は、開始からわずか8カ月で社内外から200件以上の問い合わせが寄せられるなど、高い注目を集めています。本記事では、多くの企業がLP制作・改善においてどのような課題を抱えているのか、∞AI LPがそれらにどう応えられるのか、そして実際にどのような成果が生まれているのかについて、担当者に話を聞きました。

企業から寄せられる「CVR改善」の切実な声

――LP制作に関して、クライアントからはどのような相談が多いのでしょうか?

薫森:私たちは普段、ウェブサイトやLP(ランディングページ)のCVR(コンバージョン率)改善支援を中心に行っていますが、相談内容の大半はやはり「CVRを上げたい」というものです。

お問い合わせの段階で明確にCVR向上を求める企業様もいれば、「どこから手をつければよいかわからない」という初期段階の相談もあります。また、改善の方向性は見えているものの、社内リソースが不足していて進められない、といったご相談も多いです。

福島:以前は、CPA(顧客獲得単価)が悪化した際は「CPC(クリック単価)を下げる」といった広告運用側の最適化が主な対処法でした。しかし現在は媒体の自動最適化が進み、改善すべきポイントがLP側にシフトしています。そのため、もっとも大きな課題は「CVRをどう上げるか」に変わってきています。最近のお問い合わせも、この点に集中しています。

橋本:私はダイレクト領域のバナーやLP制作を中心に、そこから派生して動画制作やフルファネルの提案、マス×デジタルの統合施策まで幅広く関わっています。その中でもっとも多いご相談は、やはり「CVRを上げたい」というものです。基本的にはバナーのクリエイティブ見直しや、遷移先LPの改修といった形で対応しています。

橋本 友里絵(電通デジタル アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部 マネージャー )

分析から改善まで、LP運用を一気通貫で支援する「 ∞AI LP」

――「 ∞AI LP」はどのようなソリューションなのでしょうか?

福島:∞AI LPは、LPの分析から制作、改善までを支援するAIソリューションです。電通トップクリエイターの制作メソッドと、約8万件のA/Bテストデータを学習したAIエンジンを搭載しており、「完全自動の競合分析」「分析結果を踏まえた、成果につながりやすいLP設計支援」「短期間で実行できるLPOプランニング(改善運用)」という3つの柱で、LP運用をトータルにサポートします。

従来のLP制作では、リサーチや仮説立案、デザイン、検証といった多くの工程が人手に依存していました。 ∞AI LPでは、LPの分析や課題抽出をAIが自動で行うため、これらのプロセスを大幅に効率化できます。

――実際の現場での使い方について教えてください。

薫森:まず、クライアントのLPやサイトの現状を素早く把握するために活用しています。以前は、自社だけでなく複数の競合LPを担当者が一つひとつ確認し、構成や導線を比較する必要があり、数時間〜数日かかることもありました。 ∞AI LPを使うと、この作業が数分〜1時間ほどで完了します。その上で、弱点を洗い出し、改善提案につなげていきます。この一連の流れが短縮されたことは、現場にとって大きなメリットです。

――実際にLP制作を担当する橋本さんは、∞AI LPをどのように使われていますか?

橋本:正直、最初は「AIとどう協業すればいいのか?」と戸惑いがありました。ですが、使ってみると、これまで手作業で行っていた競合分析などの基本的な作業を、AIが過去データをもとに自動で出してくれるようになり、非常に助かっています。また、AIが自分では思いつかない切り口を提案してくれることもあり、「この構成を少し変えてみよう」「このコンテンツを追加してみよう」といった新しい発想につながることも多いです。

福島 亮介(電通デジタル アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部 グループマネージャー )

通信業界の事例に見る。 ∞AI LPの効果と実運用の手応え

――どんな業界や企業で導入され、どのような成果が出ていますか?

福島:通信業界のクライアントの事例です。既存LPの改修とLPOを目的に、AIによる効果予測を活用しながらクリエイティブ制作を行いました。

まず、AIで多数のパターンを生成し、それぞれに事前の勝率予測を実施しました。その中から「効果が高い」と予測された案を優先して実装・検証した結果、CVRを大きく改善することができました。

A/Bテストには、結果が悪化するリスクも常につきまといますが、AIによって勝ち筋を事前に見極めることで、そのリスクを大幅に抑えられます。「勝つか負けるか」ではなく、「どれだけ伸ばせるか」にフォーカスして検証できる点が非常に大きいと感じています。

――CVRはどれくらい改善しましたか?

福島:今回は2サイクルに分けて検証しており、1回目が108%、2回目が110%の改善でした。クライアントはLPOに精通している企業で、もともと改善余地が小さい状況だったため、この結果は大きな成果だと言えます。AIからの示唆と人のプランニングが、うまくかみ合った結果と思います。

また、従来のA/Bテストでは多くても3パターンほどしか試せませんでしたが、∞AI LPでは事前の予測段階で数十パターン、場合によっては100パターン近く扱うことも可能です。そのため、検証の自由度が上がり、結果としてコスト削減にもつながると考えています。


エンタメ企業でも実証。経験則ではなくデータで語るLP改善

薫森:次に、エンターテインメント関連のクライアントの事例です。広告運用からLP制作まで一貫してお任せいただきました。私たちのチームは、改修の前段階で課題を明確にする工程を担当しており、私はA/Bテストの設計から効果検証までのサイクルを担っています。

今回の分析では、∞AI LPを使ってクライアントのLPの現状と、競合LPの状況を可視化しました。その結果、クライアントLPの中ではCTAを改善することがもっとも効果的だという示唆が得られました。そこで、AIの分析結果を踏まえてCTA周辺のデザインやコピーを改修したところ、CVRが104.5%改善しました。

熟練の担当者であれば、経験則から同様のポイントに気づくこともできます。しかし∞AI LPは、過去8万件のA/Bテストデータを学習しており、その裏付けをもとに「なぜここが課題なのか」をロジカルに説明できます。

経験だけに頼るのではなく、データに基づいたファクトで説得力をもって提案できる点は、∞AI LPの大きな強みです。そのうえで、人の経験や感性を掛け合わせることで、より精度の高い改善提案ができるようになりました。

薫森 竜夫(電通デジタル アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部)

AI×人の協働でLPが進化。保険会社で138.9%改善を実現

橋本:3つ目は保険会社のLP制作における事例です。PoC(概念実証)として「AIでデザインまで自動生成する」という取り組みを行ったのですが、最初にAIが出した案に対して、社内の担当者から「このままでは難しい」というフィードバックをいただきました。そこで、人の手でブラッシュアップする形で、私が制作に加わりました。

AIが提案した構成や訴求軸は生かしつつ、トーン調整やデザインの細部は人の感覚で調整し、AIのみで生成したA案と人が調整したB案の2案をクライアントに再提案しました。結果、クライアントからは「B案が良い」と評価いただき、最終的に受注につながりました。実際の効果数値も良好で、AIと人の協働による成果がはっきりと現れた事例だと感じています。

――具体的な数字を教えてください。

橋本:リリース後の検証の結果、

  • 資料請求CVRは 138.8%改善
  • 申込CVRは 115.8%改善

と、いずれも効果向上が確認できました。

福島:この案件では、橋本さんのクリエイティブ視点や改善プロセスがAI開発のフィードバックにもつながりました。その知見は ∞AI LPの後続バージョンにも反映されており、プロダクト自体の進化にも貢献しています。AIと人の両方がアップデートされていく――この仕組みこそ、∞AI LPの大きな強みだと思います。

――特に成果が出やすい業界や、ナレッジが蓄積している分野はありますか?

福島:通信、金融、保険、不動産といった「申し込み・契約系」の商材は、∞AI LPとの相性が非常に良いと感じています。一方で、人材系や健康食品等のD2C系商材、EC、アンケートLPといった分野では、まだ効果が見え切っていない部分もあります。

大まかに言うと、ユーザーが検討する選択肢が比較的限られている業界のほうが、現時点ではAIとの相性が良いと言えます。逆にECのように選択肢が膨大な市場では、AIが比較する基準が複雑になり、分析の難易度が上がります。そのため、競合調査がしやすいかどうかが、AIとの相性を判断するひとつの指標になると思います。


まずは競合分析から―― ∞AI LPが変えるLP改善の未来

――LP制作を改善したい、あるいはCVRを向上させたいと考えている企業の担当者の方に向けて、メッセージをお願いします。

橋本: ∞AI LPは「分析・制作・LPO」の3本柱を基本としたソリューションですが、「競合分析だけ」を単体で実施し分析結果をご提供することも可能です。自社と競合LPの差分がAIによって可視化されるだけでも、多くの気づきが得られ、AIによるナレッジを蓄積できると思います。

薫森: ∞AI LPは、どのような状況の企業に対しても獲得効率向上をご支援できるソリューションです。すでに高度なレベルでPDCAを回している企業であれば、これまで見えていなかった改善ポイントを素早く発見し、ご提示できます。最大9社分を一度に比較できるため、従来よりも深い示唆を短時間で洗い出しご提案できる点は大きなメリットです。

一方で、これまでなかなかLP改善に着手できなかった企業に対しても、∞AI LPは非常に有効です。LPにタグを設置したりデータを準備したりといった作業自体が不要で、既存LPのURLをご共有いただくだけで、課題の把握から改善方向の提示まで自動で可視化しご提案できます。企業ごとの状況に応じて柔軟に対応できるソリューションなので、ぜひ気軽にご相談ください。

福島:LPの制作・改善は、「分析→仮説立案→A/Bテスト→検証」と多くの工程を踏むため、結果が出るまでに2~3カ月、場合によっては半年ほどかかることもあります。しかし、∞AI LPを使えばこの一連のプロセスを大幅に短縮でき、スピード感を持って成果につなげることが可能です。

また、∞AI LPはAIが人の仕事を奪うのではなく、「人が本来やるべき価値ある仕事に集中できるようにするための仕組み」です。LPを育て続け、継続的に成果を出すための仕組みでもあります。

競争が激しい今だからこそ、「早く出すこと」よりも「良いものを作り続けること」が重要です。現在、社内外あわせて約200件のお問い合わせをいただいていますが、もっと多くの企業に ∞AI LPを活用したPDCAを体験していただきたいと考えています。

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PROFILE

プロフィール

福島 亮介

アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部 グループマネージャー

事業会社にて旅行・飲食・人材・住宅など複数の大規模サイトおよび管理システムの構築~コンバージョン改善、分析などに幅広く従事。Webサイトの分析・課題抽出から仮説立案~実装まで一気通貫で実施できる点が強み。A/Bテスト実施経験は大小含め数百件に上る。

福島 亮介

薫森 竜夫

アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部 シニアCROストラテジスト

2008年大手ネット広告代理店に入社、2013年に同社のCRO(コンバージョンレート最適化)事業立上げに従事。2018年電通デジタルに入社しCROグループ立上げに参画。専門領域は、定量・定性データを用いたCRO/LPO対策に重きを置き、現在はAIを用いたCRO/LPOソリューションの活用を支援。

薫森 竜夫

橋本 友里絵

アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクトクリエイティブ第4事業部 マネージャー

2017年電通デジタル入社。前職にて、アートディレクションをはじめPDCAに基づいた運用型広告の提案、クリエイティブディレクションを経験。マスからダイレクトにおけるクリエーティブ戦略~制作、分析までを一気通貫して運用し、単なる広告制作に留まらず、データに基づいた本質的な課題解決を行う。

橋本 友里絵

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