Spotify Advertising Agency Awards 2025で個人賞「Amplifier」受賞! Spotify広告の価値を社内外へ広げた挑戦とは?
Spotifyが広告会社を表彰する「Spotify Advertising Agency Awards 2025」において、電通デジタルの小尾口 陽菜が個人賞「Amplifier」を受賞しました。
本記事では、受賞の背景やプロダクト開発にまで及んだフィードバックの取り組み、進化するターゲティングの実例、そして音声広告を成果につなげるための考え方までを聞きました。
電通グループが全6部門中4部門を受賞
――受賞おめでとうございます。まずは、Spotify Advertising Agency Awardsとはどのような賞なのか、また小尾口さんが受賞されたAmplifierとはどのような位置付けの賞なのか、教えてください。
小尾口:Spotify Advertising Agency Awards 2025は、Spotify独自の広告ソリューションへの深い理解と創造的な活用を通じて、クライアントの事業成長に貢献した広告会社を顕彰することを目的に設立されたアワードです。Agency of the Yearをはじめ、全6部門が設けられています。
私が受賞したAmplifierは、昨年日本でも提供が始まった「Spotify広告マネージャー(Spotify Ads Manager)」の活用推進や導入リードに貢献した広告会社の担当者に贈られる賞です。
なお、電通グループは、Agency of the Yearに加え、複数の広告フォーマットを高度に活用した広告会社に贈られる「Multi-format Maestro」、そして広告マネージャーの活用によって売上成長に貢献した広告会社に贈られる「DIY Impact」も受賞しており、全6部門中4部門を受賞しました。
プロダクト開発にも届いた現場視点のフィードバック
――広告会社対象のアワードで、担当者個人が対象になるのは珍しいですよね。どのような点が評価されたとお考えですか?
小尾口:個人的に大きかったのは、Spotify広告マネージャーのフィードバックミーティングへの参加だと思います。
このミーティングには海外のプロダクト責任者の方も来られていたため、セールスの現場視点からの意見をかなり強くお伝えしました。加えて、約60ページの英語のPowerPoint資料を作成し、こちらの考えや熱意がストレートに伝わるよう工夫しました。先方にも意図をしっかり理解していただき、非常に有意義な議論ができたと感じています。
また、日本では2024年7月頃からSpotify広告マネージャーのPoC(概念実証)が始まっており、私は立ち上げ当初から関わっていました。そのため、2025年5月の正式リリースまでのアップデートの流れを把握したうえで具体的なフィードバックを行えたことも、評価につながったのではないかと考えています。
――広告会社からのフィードバックは、実際にプロダクトに反映されるのでしょうか?
小尾口:Spotify広告の場合は、Spotify広告マネージャーの売上比率が日本は世界的にもトップレベルで、さらに電通デジタルがその中でも大きなシェアを占めています。そうした背景もあり、私たちの意見が届きやすく、反映されやすい環境にあると感じています。
広告会社としてフィードバックを行うのは、もちろん売上向上を目指してのことですが、クライアントの視点では、活用できるターゲティングの幅が広がるという価値にもつながります。実際、狙ったユーザーにより適切に配信できる設計へと改善が進んでおり、結果として良い循環が生まれていると考えています。
――例えば、どのようなターゲティングが可能になりましたか?
小尾口:代表的なものが「In-Car Targeting」です。BluetoothやUSBなどでスマホと車を接続した際や、車載アプリを通じてSpotifyを利用しているユーザーを「車内にいる」と判別し、そのモーメントに合わせて広告を配信できるターゲティング手法です。 自動車メーカーはもちろん、自動車保険やロードサイド店舗などからの引き合いも多いですね。
また、Spotifyは「モーメントに強い媒体」という認知が業界内でも広がっていますが、実はこれまで運用型広告では時間帯ターゲティングができませんでした。そこで、運用型でも時間帯指定ができるようにしてほしいと要望したところ、近く実装される見込みです。
例えばアルコール商材の場合、帰宅時にSpotifyを聴いているタイミングで広告が流れれば、「帰りに買って帰ろう」と思ってもらえる可能性があります。こうしたユーザーの生活導線に合わせた配信ができるようになるのは大きいですね。
圧倒的成果を支えるのは、電通グループの連携力
――普段はどのような業務をされていますか?
小尾口:現在は、Spotify広告マネージャーの運用に加えて、社内向けのセールス支援も担当しています。また媒体対応の立場として、プロダクトへのフィードバックや、Spotify側と連携して売上拡大に向けた取り組みも行っています。
――普段の業務で意識していることを教えてください。
小尾口:どんな場面でも、常に相手の立場で考えることを大切にしています。難易度の高い業務であっても、最終的に仕事を前に進めるのは人と人との関係です。お互いに気持ちよくコミュニケーションを重ねることで、最後までやり切れるのだと思います。
もう一つ意識しているのは、「相手の期待に応えたい」という気持ちを持つことです。アウトプットをより良くしようとする姿勢が自然とモチベーションにつながり、結果として仕事の質も高まると感じています。
――Spotify広告に関して、電通デジタルの強みは何ですか?
小尾口:取扱量の多さに加えて、クリエイティブアワード「Spotify Hits 2025」で電通グループが複数部門を受賞しているように、実際の成果として形にできている点は大きいと思います。また、データクリーンルームを活用した効果計測ソリューション「SONATA」を共同開発していることも特長ですが、私が特に強みだと感じているのは、それを実現できるグループ内の連携力です。
例えば「Spotify Hits 2025」では、社内ワークショップを開催し、クリエイティブ部門も巻き込みながら、Spotify側とも密に連携した結果、公募部門への応募数は電通デジタルが最多となりました。「SONATA」も、グループ会社との協働によって実現した取り組みですし、 Spotify社とdentsu JapanデジタルオーディオADラボが共同でホワイトペーパーの発信も行っています。
こうした電通グループならではの横断的な連携によってSpotifyとの関係性を築けていることこそが、最大の強みであり、他社との差別化につながっていると考えています。
音声広告の可能性を広げる、次のステージへのアクション
――Spotifyの音声広告が気になりつつも、未導入という会社も少なくないと思います。どのようなシーンにおいて音声広告が最適なのか、特徴や活用のコツを教えてください。
小尾口:音声広告は他の広告とは異なり、どれだけ情報を「引き算」できるかがポイントです。あえて伝える内容を絞ることで、ユーザーの想像を喚起できる。そうした特性を踏まえて音声ならではのブランドイメージを設計すると、ブランドへの好意形成にもつながりやすくなります。
また音声広告は、「ながら聴き」ができる点が大きな特徴です。生活の中の特定の瞬間、モーメントに寄り添えるため、他媒体にはない接点を作れます。新しいコミュニケーション手法を探しているブランドにとって、Spotifyはとても相性の良い媒体だと思います。
さらに、音声広告は繰り返し接触することで記憶への定着が高まりやすく、ポジティブな感情の時に与えられる情報は好感度高く受け入れられやすい点も特徴です。広告そのものが楽しめる――そこが音声広告の大きな魅力ですので、まずはリスナーとしてSpotifyを使って体験してみていただきたいですね。
――今後の展開や、取り組みについて教えてください。
小尾口:今年は、これまで以上に運用型広告へ注力していきたいと考えています。それに伴い、運用体制の整備や、その基盤づくりも進めていく予定です。
また、今後は新機能や新メニューのアップデートが次々と登場すると思いますので、いち早くキャッチアップし、他の広告会社に先んじて事例を生み出していきたいですね。今回の受賞をきっかけに、Spotify広告マネージャーの先駆者としてのポジションを、さらに強化していきたいと考えています。
PROFILE
プロフィール
小尾口 陽菜
2021年に電通デジタルへ入社。入社後は運用コンサルタントとして運用業務に従事。2025年からプラットフォーム部に所属し、プラットフォーム向き合いを中心とした業務に従事している。担当媒体の売上最大化をミッションに、運用知識を生かした、電通グループとプラットフォームとのリレーション構築、プロダクト改善など多面的な役割を担っている。
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