このプロジェクト最大の山場は、スケジュールの圧縮でした。3社が連携するプロジェクトでは各社の工程が順番に積み重なるため、前工程の進行状況によって後半のスケジュールがタイトになることがあります。今回も結果として、私がハンズオンに使える時間は実質1週間ほどでした。
視聴完了率50%超。
生成AIで動画広告の
常識を変えた挑戦

プロンプト設計
先輩に聞く、
あのプロジェクト
生成AIで動画を作る技術は急速に進化していますが、「広告として実際に配信できるレベル」にするには、品質の安定性やセキュリティ、権利面など多くのハードルがあります。本プロジェクトでは、トヨタ・コニック・プロさんが生成AIを動画広告制作に活用するにあたり、電通デジタルとKDDIアイレットが支援パートナーとして参画。既存の動画素材をAIで解析・再編集するツール「ViGenAiR」を導入し、外部素材を使わず自社素材だけを再構成する方針で権利リスクを回避しつつ、広告担当者が自力で操作できる環境を整備しました。実際に配信した動画広告では視聴完了率50%(既存の施策では視聴完了率20%)を記録し、想定を大きく上回る成果を生み出しました。
これまでの業務経歴と、今回のプロジェクトでの役割を教えてください。
2021年データアーティスト社に新卒で入社し、合併を経て現在は電通デジタルに所属しています。入社以来、データやAIの分野に携わっており、今はAIシステムエンジニアとして、生成AIを活用したシステムやソリューションの技術検証・開発から、クライアントへの導入支援までを担当しています。
今回のプロジェクトでは、AI動画編集ツール「ViGenAiR」の技術検証とプロンプト設計を担いました。まず自分でツールを徹底的に触り、さらにソースコード(プログラムの設計図)をAIエージェントに読み込ませて内部処理を一つ一つ解析。「この操作をすると裏でどんな処理が走り、どんな出力になるのか」を把握した上で、最適な指示文のテンプレートやサンプルを設計しました。最終的には「ドキュメント通りに入力すれば誰でも動かせる」状態に仕上げ、ハンズオン(実演しながらの説明会) 形式でクライアントにお渡ししました。

プロジェクトを成功に導く中で、3つのバリューをどう体現しましたか?
それでも乗り切れたのは、事前に「つっぱしる。」の姿勢で手を動かし続けていたからです。未知のツールでも「まず触る、AIに読ませる、理解する」を高速で繰り返し、ソースコードの中身まで「ふかめる。」の意識で徹底的に把握していました。その知見を誰でも再現できるドキュメントに言語化していたおかげで、限られた時間でもクライアントに過不足なく説明し、確実にお渡しすることができました。先回りして深く理解しておいたことが、最後にチームとクライアントの「つながる。」として実を結んだ——そんな手応えを感じたプロジェクトでした。
この仕事の面白さと、就職活動中の学生さんへのメッセージをお願いします。
今はAIの進化が本当にすさまじく、できることが日々広がっています。普段からAIを触っている自分でさえ「どこまでできるのか」は実際に試さないとわからない。だからこそクライアントとの仕事の中で常に新しい世界に出会えて、毎回新鮮な刺激を受けられるのが楽しいです。
もう一つの面白さは、学びのハードルが一気に下がったこと。以前なら入り口でつまずいて諦めていたような分野でも、AIの学習サポートを使えば最初の壁を簡単に越えられます。「できるようになっていく」実感を常に得られる環境は、本当にワクワクします。「AIに仕事を奪われるかも」と不安に思う方もいるかもしれません。でも、AIを使って自分自身を成長させ続けるマインドがあれば、社会人生活はむしろどんどん楽しくなります。ぜひそのワクワクを一緒に味わいましょう。


