2022.07.26

「えるぼし認定」3つ星はスタートライン。DE&I Initiativeプロジェクトが目指すゴールとは何か

電通デジタルでは、多様な社員が自分らしくいきいきと働ける環境を目指し、全社を挙げて「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」を推進しています。

2021年にはDE&I Initiativeプロジェクトを立ち上げ、さまざまな施策を実施、その成果として、2022年5月、厚生労働省が定める女性活躍推進企業認定「えるぼし認定」[1]の最高位である3つ星(3段階目)を取得しました[2]

本稿では、DE&I Initiativeプロジェクトメンバーに、「えるぼし」取得の意義と、DE&I Initiativeの取り組みについて聞きました。

※所属・役職は記事公開当時のものです

電通デジタル
副社長執行役員

中津久美子

電通デジタル
コーポレート部門
総務部

西野理子

電通デジタル
コーポレート部門
人事部
労務管理グループ

立花哲

ジェンダーに関する課題は「マイノリティの中のマジョリティ」

――電通デジタルがDE&Iに取り組む理由は何でしょうか?

中津 電通デジタルのサステナブルな事業成長に必要不可欠だからです。これからの成長戦略を描くなかで、多様な人材が自分らしく能力を発揮できる環境の整備をしていかなければなりません。

また電通デジタルは、「クライアントの事業成長パートナー」であろうとしています。多くのクライアント企業がDE&IやESG(環境、社会、ガバナンス)投資に取り組んでいます。私たち自身がそこに本気で取り組むことで、クライアント企業が求める多様な視点に基づいた提案を行うことができると考えています。DE&Iを実現するためにDE&I Initiativeプロジェクトを立ち上げ、8つの課題に取り組んでいます。

DE&I Initiativeには、女性活躍、ジェンダーに関する意見、想いを持った方は誰でも参加していただけます。

Zoom

――DE&Iの中でも、特に性別/ジェンダーに関する課題に重点的に取り組んでいるのはなぜでしょうか?

西野 電通デジタルは社員の4割が女性です。性別/ジェンダーに関する課題は、「マイノリティの中のマジョリティで、緊急度も高い」と認識しています。プロジェクト発足に際して田中信哉さん(執行役員)に作っていただいたステートメントを旗印に、まずは女性活躍推進から取り組んでいるという状況です[3]

Zoom

DE&I Initiativeでは役割分担を決めていない理由

――DE&I Initiativeが「えるぼし」認定取得を目指した理由は何ですか?

中津 「えるぼし」は、女性活躍推進法という法律に基づいて認定されています。女性の活躍を促進する企業であることを社内外のステークホルダーに示すためにも、国公認の認定をとっておくことは大事なことだと思いました。ただ、「えるぼし」はあくまで基準の一つ。3つ星を取得できたから十分とは決して思っていません。これはスタートラインです。

中津久美子(電通デジタル)

――「えるぼし」認定申請に際して、特に苦労したことなどはありますか?

立花 申請には、過去3年間(2019~21年)の実績数値、資料が必要でした。人事部で調べきれない数値に関して、他部門の方たちが調査や集約にご協力いただいたお陰で、申請からわずか2カ月で取得することができました。

――DE&I Initiativeでは3人はどういった役割分担ですか?

中津 じつはDE&I Initiativeでは、役割を決めていません。ミッションを規定しタスクをこなしていく効率重視の進め方は、このプロジェクトにはフィットしないと思っています。なぜならそれは無駄を排除する考え方だからです。

ですので、DE&I Initiativeでは、役割を固定化せずにそれぞれの得意領域や強みを持ち寄って、手を挙げた人が担当するようにしています。

今回の「えるぼし」申請に関しては、社内外の人事関連の諸制度に精通している立花さんがリードし、DE&Iに深く携わってきた西野さんにサポートしてもらったというかたちです。

立花哲(電通デジタル)

When we can imagine, we can grow

――DE&I Initiativeのプロジェクトオーナーとして、特に大事にしていることは何でしょうか?

中津 社員一人ひとりが輝く会社にしたいという強い思いがあります。社員全員が自分の個性を活かし、強みを発揮して働ける会社にするために、DE&I Initiativeでは、役職やチームを超えて意見を出し合いながら、できることからすぐに取り組んでいます。

最初は、女性活躍推進にフォーカスすることで、男性社員たちから反発があるかもしれないと心配していましたが、非常にありがたいことに、男性社員たちからも建設的な問題提起がたくさんあがりました。一方で、女性社員たちからも、経営課題として認識してくれて安心しましたという声をいただきました。

実際、女性活躍推進に取り組んでみると、女性が抱えている問題や悩みは、性別を超えた大きな問題だったということが、思いのほか多くありました。

このように、さまざまな立場の人が自分事として考え、自分の言葉で返してくれる風土は、本当に電通デジタルらしいと思います。DE&I Initiativeの活動を通じて、社員が抱えている働きづらさや心理的な負担を知ることができました。会社としてやらなければいけないことが明らかになり、とてもありがたいと感じています。

DE&Iのステートメントの中に「When we can imagine, we can grow.」という一文があります。誰もが相手の状況をもう少し「Imagine」することで、大きな成果を生み出せると信じています。

西野理子(電通デジタル)

生活も、仕事も、諦めずに働き続けられる会社にしたい

――今後のDE&I Initiativeの展望や抱負をお聞かせください。

立花 今は女性の活躍、かつ育児の取り組みを中心に活動を行っていますが、そもそもの問題として、女性だから、男性だからという考え方自体を、なくしていかなくてはいけないと思います。

人事部としては、どのような新制度を作る際にも、年齢、性別、既婚未婚を問わず、すべての人がハッピーになるような会社にしていかなければならないということは強く意識していますし、それを踏まえてDE&I Initiative にも取り組んでいます。

中津さんがおっしゃるように、社員一人ひとりが輝き、楽しく仕事をしてもらうことがゴールです。その実現に向けて、人事部としても支援したいと考えています。

西野 女性活躍というと、ロールモデルや管理職の男女比率がクローズアップされがちですが、一人ひとりが自分らしく働けるのであれば、さまざまな働き方や成長の仕方があってもいいのではないでしょうか。

ライフスタイルや価値観が多様化する今の時代、完全に一致するロールモデルというのはなかなかいません。ロールモデルではなく、参考になる部分部分を採り入れる「パーツモデル」の考え方で、自分らしい生き方、働き方について考えていただけるような場を作りたいと思っています。

中津 DE&I Initiativeに関連して多くの人から話を聞く中で、「結婚したり、子どもが生まれたりしたら、今と同じようには働き続けられないかもしれない」という声を聞くと、胸が締めつけられるような思いがします。そうした不安をなくしていくことが、DE&I Initiativeの存在意義です。

仕事のために生活を諦めることも、生活のために仕事を諦めることも必要ありません。豊かな人生、豊かな生活のために働くのであって、もしも何かを諦めざるを得ない環境ならば、そうした要因を少しずつでも減らしていく必要があります。

会社って不思議な場所で、たまたま縁あって同じ会社、同じ部署にいるだけの関係なのに、1日に何時間も一緒にいて、仲間として仕事をしている。だからこそ、そうした場所や関係性、環境ができるだけ快適になるようにしたいんです。そのためにも、社員のみなさまお一人おひとりの言葉に耳を傾け、皆さんの状況を「Imagine」しながら、プロジェクトを進めていきたいと思っています。


脚注

1. ^ "女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」". 厚生労働省しょくばらぼ(2020年12月23日)2022年6月29日閲覧。
2. ^ "女性活躍推進企業として「えるぼし」最高位の3つ星認定を取得". 電通デジタル.(2022年6月20日)2022年6月29日閲覧。
3. ^ "サステナビリティ". 電通デジタル. 2022年6月29日閲覧。

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