電通デジタルでは、2023年から全社員を対象に、戦略思考を学ぶための社内研修として「Strategy BOOT CAMP」を実施しています。この記事では、「Strategy BOOT CAMP」を実施した背景と目的、講義内容、受講者の感想を紹介します。
2024.09.17
全社員の戦略思考力を高める!社内研修「Strategy BOOT CAMP」の舞台裏
【主催者インタビュー】電通デジタルの競争力を大きく向上させるためのエンジンに
――Strategy BOOT CAMPとは、どのような取り組みですか?
森永:参加者がマーケティング発想や戦略思考力を身につけ、実際の業務に活かせるようになることを目的とした社内研修です。2023年から始めて、今年で2年目となります。我々ストラテジー部門は、通常の業務と並行して、電通デジタルの競争力を高めるための活動も行っており、Strategy BOOT CAMPもその活動の一環です。
――Strategy BOOT CAMPを企画した背景を教えてください。
森永:電通デジタルは非常に幅広い領域をカバーしていて、それぞれの領域に専門組織がありますが、ともすると自分の専門にだけ固執し、思考や提案内容が近視眼的になってしまう傾向もあると感じていました。また、若手アカウントプランナーからは、「デジタル施策の運用だけでなく、中長期的な視座からの提案を求められることが増えたが、そのために必要な戦略思考を体系的に身につける機会がない」という悩みが寄せられていました。こうした課題解消のためにも、全社的な研修の機会が必要だと考えて、本企画を立案・実施しました。
――プログラムの概要を教えてください。
森永:今年度は6月、全社員を対象に「マーケティングマインド醸成特別講座」という講義を2回にわたり実施し、前編は電通デジタルのOBで現在、事業会社にてマーケティング責任者を務めている方 、後編は久下尋厚氏(電通)が講義を担当し、クライアントサイド・代理店サイド双方からの視点でマーケティングパートナーとしての心構えをインプットいただきました。
その後は約3ヵ月をかけて、ストラテジー編、クリエイティブ戦略編、メディア戦略編と題して、各領域における戦略の立て方を、実践形式で学んでもらいます。
――今年のプログラムの反響はいかがでしょうか?
森永:講者アンケートを見たところ、昨年よりも満足度が大きく上昇していました。ほぼ受講者全員から「実務に役立つ」との回答を得ており、手応えを感じています。
――Strategy BOOT CAMPを通じて実現したいことは何ですか?
森永:戦略志向、マーケティング思考というのは、すべての部門で必要な考え方です。全社員がこの考え方を身につけることが、電通デジタルの競争力を大きく向上させるためのエンジンになると確信しています。
組織や出自にかかわらず、社員同士が切磋琢磨して、クライアントへの提案の質を高め合えるような社内文化が醸成できれば、今よりも大きくクライアントの事業成長に貢献できるようになるはずです。それを実現するためにも、この取り組みは来年以降も続けていきたいと思っています。
【講師インタビュー】PDCAはクライアントと信頼関係を構築する重要なドライバー
――田辺さん、行方さんが講師を務めた講義「PDCA概論―KPI設計とマネジメントの型」の狙いを教えてください。
田辺:1つは、日常の業務でPDCAプランニングに悩んでいる皆さんに、悩みの壁を突破するきっかけを提供すること。もう1つは、PDCAがクライアントと信頼関係を構築する重要なドライバーであることに気づいてもらうことです。
行方:KPI設定やPDCAに苦手意識を持っている方が多いと思われますが、型に当てはめ、順序立てて考えればできることで、それほど難しくはありません。従来から、そうしたことを伝える機会があればと思っていました。
――講義をする上で心がけたことは何ですか?
行方:私が担当した座学では、基礎的な内容をしっかりとわかりやすく伝える一方で、統計分析など、応用的な内容も幅広くカバーすることを心がけました。
田辺:私が担当したグループワークでは、PDCAプランニングを行う際に意識してほしい以下の2点を踏まえて、講義内容を設計しました。1つ目は、普段自分が扱う領域の外に必要な論点やヒントが隠れている可能性があるということ。2つ目は、絶対の正解はないということを前提に、自分が正解を作るつもりでPDCAプランニングに取り組むことが大事だということです。
――受講者の反応はいかがでしたか?
行方:これまでデータを読み解く経験があまりなかった参加者もいらっしゃいましたが、事前の課題も当日のワークも試行錯誤しながらも前向きに取り組んでいただけた方が多かったというのが印象に残っています。
田辺:私も、皆さん積極的に議論し合ってくださったいう印象があります。普通のPDCAの型にはまらない、オリジナル性の高いアイデアを出してくれたグループもいましたし、細かいところまで考慮して解を出そうとするグループもいました。
――今回の講義内容をどのように業務に活かしてほしいと考えていますか?
行方:受講者の大半がストラテジックプランナー以外の職種に就いていますが、どのような職種であれ、KPI設定とPDCAは避けて通れません。自分でプランニングする機会がなくても、議論や施策には必ず出てくることなので、今回の講義内容はすぐに実務に活かせるはずです。
田辺:PDCAを回していくのは簡単なことではありませんが、PDCAをドライバーとしてクライアントの事業を前に進め、クライアントをワクワクさせてもらいたいと思います。
【受講者インタビュー】講義で得た仮説立てとデータ分析の知識は、実務で大活躍
電通デジタルに転職して1年が経ち、新規クライアント企業へゼロからメディアプランを提案する機会が増えていました。しかし、いざゼロからメディアプランを考える段階になって、「そもそも戦略とは何なのか」を本質的に理解していないと感じていました。そのタイミングでStrategy BOOT CAMP が実施されることを知り、実務に役立つスキルを身につけられるのではないかと期待して応募しました。
全4回のストラテジー編講義を終えて、仮説の立て方・分析手法・課題の考え方・KPIの立て方など、普段の業務で行き詰ったときに立ち戻れる基本の考え方をインプットすることができました。日々クライアントに向き合う中で、クライアント企業の課題は何か? 今後どうしていくべきか? という問いを定期的に考えるタイミングがありますが、その折々に今回の講義で得た戦略的な思考を意識しています。
中でも、仮説立てとデータ分析の知識は、すでに実務で非常に役立っているという実感があります。クライアントへ提案をする際にも、データを活用した説得力のある内容を提案できるようになりました。こうした良質のアウトプットを続けることが、クライアントからの信頼獲得に直結すると感じています。今後は今回の講義で学んだことを活かし、部門横断の統合的な施策の提案にもチャレンジしていきたいです。
戦略思考を学んだことで、プランニング全般に自信がついた
入社以来、主にオウンドメディアの領域で、プロジェクトマネージャー 兼 制作ディレクターとして「生活者が直接触れる部分」を作ってきました。社会人5年目になり、今後のキャリアを考えたとき、クリエイティブの力で、よりブランドの想いや価値を届けていくためにも、 ブランド体験の戦略設計、コアアイデアの開発、デュアルファネルでの⼀貫したコミュニケーションデザインから実⾏までを担える人財になりたいと思うようになりました。
そんなときにStrategy BOOT CAMP の募集があり、その講義内容の中でも特に、「ブランドとして何を伝えていくべきかを考えること(ストラテジー編)」「メッセージを届ける最適な場所を考えること(メディア戦略編)」「戦略・クリエイティブ・メディアに一貫性を持たせることでクリエイティブの力を最大化させること(クリエイティブ戦略編)」は、まさにいま学びたいと思っていたもので、迷わずエントリーしました。全4回のストラテジー編講義を受け、以前よりも仮説を立てながら、ブランドが何を伝えるべきかを考えることへの自信がつきました。
今後は、クライアント企業の期待に応えながら、生活者のインサイトを捉え、起こしたい態度変容から逆算し、何をどう伝えるべきかを考えつつ、オウンドメディアクリエイティブにおける全体図を描けるようになりたいと思っています。また、将来的にはオウンドメディアに閉じず、インサイトに基づく統合的なコミュニケーションアイデアを考えるコミュニケーションプランナーとして、ブランドの想いや価値を届けていきたいです。
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