2023.08.29
データを通して、人と社会が見えてくる(後編)
データアナリスト座談会 vol.1
ビッグデータの活用が広がり、データ分析力とエンジニアリングスキル、ビジネスの知見を持つデータアナリストの需要が高まっています。電通グループにも多様なデータアナリストが在籍しており、ビジネス課題の解決に役立つソリューションを多くの企業に提供しています。
そんなデータアナリストの実像にスポットを当てたのが、この座談会。第1弾では、データアナリストとして活躍する、株式会社 電通の堀越由希氏、足立茉由香氏、阿部萌子氏、株式会社電通デジタルの久保村萌乃果氏、栗山和子氏の5名が集まり、仕事について語り合いました。後編では、データ領域の仕事のやりがい、今後実現したいことについて語ってもらいました。
※2023年7月時点での情報です
※Transformation SHOWCASEからの転載記事
データを知れば、社会をクリアに見渡せる
Q.データ領域の仕事には、どのような達成感があるのでしょう。データアナリストの皆さんが、仕事で楽しさや喜びを感じるのはどんな時ですか?
足立:私は、ソリューションを開発できた時です。今はまだ1人でゼロから開発するのは難しいですが、先輩方と一緒に新しい分析パッケージを開発できたときに喜びを感じます。
栗山:私の場合、複雑な工程のデータ分析・集計を行う際に、事前に思い描いていた仮説通りの結果が出た時ですね。データの集計・抽出時は、最初にどのような形で結果が出てくるかを想像してから着手するのですが、仮説通りの結果を得られると達成感を覚えます。
久保村:分かります。自分なりにいろいろな視点で組み立てた仮説通りだとうれしいですよね。
阿部:私は逆に、集計結果が事前のイメージと異なったときに、なぜうまくいかなかったのか、という仮説を立て、それを1つずつ潰して「原因はこれだ」と確定させた時が一番うれしいです。うまくいかない原因を突き止めることで知見も増えるので。
堀越:私はデータ・テクノロジーセンター(以下、DTC)での仕事は3年目に入りましたが、データに触れる度に、「意外なターゲット像が見えた」「新しい施策を見いだせた」というような発見や気付きを得られるので、日々成長を感じますし、新鮮で楽しいですね。これまでの私になかった「物事をデータから捉える」という視点が加わったことで、これまで見えていなかった部分にも意識が向くようになり、世の中の解像度がぐっと上がって、人生が豊かになった気がします。
事業領域が多岐にわたる環境で、広い視野を養う
Q.皆さんは、今後どんなことに挑戦していきたいですか?「こんなスキルを身に付けたい」「この経験を生かして違う職種にチャレンジしたい」など、将来のイメージをお聞かせください。
堀越:私はDTCへの異動を経験した上で、まだまだ「人の気持ちがきちんと伝わる社会」に向けて取り組めることがたくさんあると感じて、今後どの部署にいっても大切に持ち続けたいマインドだなとあらためて思いますね。
栗山:私は、領域を限定せず、いろいろなことに挑戦し続けたいです。最終的に「この人に聞けばなんでも分かる」という人になりたいし、年齢を重ねてもなお新しいことに挑戦し続けられる人でありたい。この気持ちがあれば、いつでも新しい価値観や知識を得られることが分かったので、今後も幅広くチャレンジしていこうと思っています。
阿部:学生時代は建築を勉強してきたので、DTCでの学びを蓄えた後に都市ブランディングの領域で働きたいという思いはあります。新卒でDTCに配属されたときは今まで勉強していたものとは異なる領域だったため、自分の能力がうまく発揮できるのか不安もあり少し戸惑いもありましたが、今ではいきなりやってみたかった仕事をするよりも良かったと思っています。電通グループは事業が幅広く、そういう会社に入ったことで広い視野を養うことができているという実感があるので、将来的に都市ブランディングの領域に挑戦する上でも、自分のキャリアを考える上でもこの仕事を選ぶ意義があったと思っています。
久保村:先ほど堀越が「データを扱うことで、世の中の解像度が上がった」と言いましたが、私も同感です。データ領域を知ることで、かすみ掛かっていた世界が晴れていくような感覚になることがたまにあります。今後も経験していない新しい領域を知って、解像度の高い人材になりたいですね。
より近い視点では、問題が発生する前に問題点に気付けるようになるのが目標です。今は既にある課題をどう解決するかという動き方が多いので、先回りできるようになりたいですね。
足立:まずは、ソリューション開発にゼロから携わりたいです。今は先輩の発案に基づいて手を動かしていますが、ニーズを拾うところから自分でできるようになりたいと考えています。もう1つは、最近携わっているグローバル連携です。まだ始めたばかりですが、今後は海外の方々と同じ土俵で交渉できるようなスキルを身に付けたいと思います。
データは嘘をつけないからこそ、データアナリストも誠実であるべき
Q.最後に、皆さんがデータアナリストとして働く上で、大切だと思う視点や考え方、スキルについてお聞かせください。
堀越:今、世の中にはデータがあふれ、より身近なものになっています。私自身、いざこの世界に飛び込んでみると、私たちの生活と切っても切り離せないものだと実感しました。
その上でデータに携わる立場から大切だと思うのは、「世の中に対して、データをこのように活用すれば、より良い社会がつくれるんじゃないか。面白いことができるんじゃないか」とイメージを膨らませる力です。イメージできないものは実現できないので、まず想像を巡らせる力が必要だと思っています。
阿部:私は、丁寧な人が向いている気がします。疑問や引っ掛かりを感じたところを「まあいいか」とそのままにせず、きちんと追求していく。そして、引っ掛かるポイントを潰して正しい結果を出す。そういったことを細やかにできる人がいいのではないでしょうか。
栗山:本当にそうですよね。加えて、誠実さも大切だと思います。データは、良くも悪くも結果がクリアに出ます。悪い結果が出た時に隠そうとするのではなく、クライアントにきちんとお伝えした上で、「この結果をもとに、どうすればいいか一緒に考えましょう」と、未来に向けた検討をすることが大事だと思います。データは嘘をつけません。だからこそ、データを使う人も嘘をつかず、誠実であるべきではないでしょうか。
足立:私は、いろいろな考え方の人が集まることが大切だと思います。以前、私とは考え方も趣味も違う後輩と、ある商品の購買データを分析した時、後輩が「SNSで、インフルエンサーがこの商品の使い方を紹介していたのですが、もしかするとその影響で若者の間で売れ行きが伸びているのかもしれません」と指摘してくれたことがありました。私はそのインフルエンサーをチェックしていなかったので、そのような発想がなく、とても勉強になりました。違う角度で物事を見て、初めて気付くことも多いですよね。だからこそ、いろいろな考え方を持つ人がいた方がいいと思います。
久保村:今の足立の話と少し重なりますが、データアナリストは仮説を立てることが多いです。単に分析をするだけではなく、「インフルエンサーが紹介したから、このデータが伸びたんじゃないか」と、仮説を立てる力が大切だと思います。「AIによってデータ分析の仕事環境が変わる」と耳にしますが、どのデータに注目するか、どんな仮説を立てるかという点では、人間だからこそ気付けることがあるのではないかと思っています。AIを良きパートナーと捉え、人間ならではの力を発揮していけたらと思います。
電通グループに所属するデータアナリストたちによる座談会。その素顔や仕事に対する思いを感じていただけたでしょうか。多くのデータアナリストが、データと誠実に向き合い、さまざまな課題解決のため日々データの可能性を追求しています。
「データを収集したものの活用法が分からない」「現在のデータマーケティング施策に不安がある」という企業の方は、ぜひ連絡ください。
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