2023.04.05

電通デジタル社員が考える 社内のジェンダー平等を実現する方法とは?

電通デジタルでは、3月8日の国際女性デーに合わせて、「電通デジタルの女性デー2023」と題し、さまざまなイベントや取り組みを実施しました。

本記事前半では、「電通デジタルの女性デー2023」の取り組みを紹介します。後半は、2022年社内アワード ベストマネージャー賞を受賞した東條周子さんと、入社2~4年の若手社員3人を迎え、「女性管理職を取り巻く現状と、社員全体の働きやすさ」をテーマにトークセッションを行いました。その内容を編集してお伝えします。

電通デジタルの「国際女性デー」2023

3月8日は「国際女性デー」です。女性の権利、政治、経済分野への参加を推進していくために、1977年、国連によって制定されました。SDGsのNo.5「ジェンダー平等の実現」の推進とDEIに取り組む電通デジタルは、社内の理解を深めるために、今年もさまざまな取り組みを行いました[1]

社内ポータルサイトのトップページをミモザジャック

国際女性デーの象徴となっている黄色い花・ミモザにちなんで、ミモザをイメージしたバナー画像を作成し、社内ポータルサイトのトップページに掲載しました。社内ポータルサイトには、国際女性デーとDEIに関するページを新たに制作し、掲載しています。

「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」をテーマにしたショートムービーを制作

ロールプレイングゲーム風のショートムービーで、「魔王を倒した勇者が実は○○だった!」というストーリーで、「あなたのアンコンシャスバイアスで、誰かが働きにくくならないように」というメッセージを伝えています[2]

ミモザデザインのSlackのリアク字を制作

黄色と緑を基調としたリアク字(Slack専用の絵文字リアクション)を制作しました。これをきっかけにして、国際女性デーを知らなかった人にも意識してもらえるように、という意図です。


ベストマネージャー賞受賞の東條さんに聞く「マネージャーになった理由は?」

3月8日には、社内アワードでベストマネージャー賞を受賞したコマース部門 コマースデザイン事業部の東條周子さんを囲んで、オンラインでトークセッションを実施し、多数の電通デジタル社員が参加しました。その内容をダイジェストでお届けします。

──東條さん、ベストマネージャー賞受賞、おめでとうございます。東條さんはもともとキャリア志向だったのでしょうか?

東條 いえ、まったくそうではありませんでした。私は35歳のときに電通デジタルに入社しましたが、当時は、自分より年上の女性が周りにほとんどいなくて、キャリアイメージが想像できない状態でした。

この会社で長く働いていくためにはどうしたらいいのか、悩んでいたときに、当時の部門長に相談したところ、他の部門の先輩女性社員を何人か紹介してもらい、1 on 1ミーティングをしていただきました。

先輩方とお話しする中で、「自分はEC未経験の人材を即戦力に育てること、つまり教育に携わりたい」ということに気づきました。それを実現する方法を考え始めた頃に、タイミング良くマネージャー昇格のお話をいただきました。

ゆくゆくは教育専門のチームを作りたいと思っていたので、その第一歩としてマネジメントをやってみようと考え、マネージャーを受任しました。

──今回の社内アワードの応募理由、ならびに受賞理由は?

東條 純粋にマネージャーの実績だけで応募したというよりも、実際にマネージャーになって2年ほどやってみて、いい意味でギャップを感じることがあったので、それを多くの人にお伝えしたくて応募しました。

今回の受賞では、グローバル食品ブランドのフルファネル支援に伴うプロジェクトマネジメント業務と、人材育成に取り組んでいるという2点を評価していただきました。


マネージャー業務のイメージと現実のギャップを解消したい

──ギャップとは何ですか?

東條 マネージャーに昇格する以前、マネージャーは、メンタルもフィジカルも強くて、リーダーシップがとれる人がなるものだと思い込んでいました。

一方で、私は自分のことを、人を率いるというよりも、人を支える後方支援型だと認識していたのですが、マネージャー職の研修を受け、実務に従事する中で、そうした自分の特性も、マネージャーのバリエーションとしてあっていいのだと思い始めました。

コマース部門にはさまざまな専門領域があり、マネージャーは皆それぞれ独自の強みを持っていて、「みんな違って、みんないい」という雰囲気があります。であれば、私のようなマネージャーがいてもいいのではと思いました。

マネージャー職に関して、私と同じように思い込んでいる人は、実はすごく多いのではないか。だとすれば、私が身をもって経験した「ギャップ」を伝えていくことも、私の役割ではないか。そのように思っていましたので、今回、皆さんの前でお話しする機会をいただけたのは、とてもうれしいです。


手厚いマネージャー研修で不安が軽減された

──マネージャーはとにかく多忙というイメージが強いですが、実際のところはどうですか?

東條 確かに多忙ではありますが、一般スタッフとは職務内容が異なるだけ。労働時間が増えるわけではないので、マネージャーだから忙しいということはありません。

マネージャーに昇格して3カ月ほどは、週に3~4時間の研修がありました。そこで「マネージャーは素質ではなく役割。必要な能力は後天的に身につけていくことができる」と教わり、メンバーの成長をサポートしていくためのスキルを体系的に学びました。

研修を受けて、マネージャー業務への不安がぐっと軽減しました。担当の方とは今でも困ったことがあれば、相談できる関係を築けていて、とてもありがたいです。

そもそも電通デジタルは、社内を見渡しても優しい人が多いし、マネージャー同士も協力的。仕事のことやプライベートなことなど、いろいろなことを相談させてもらっています。おかげでマネージャーの孤独を感じずに、日々業務に取り組めています。


電通デジタルの女性管理職比率19.8%は、高い?低い?

──ここからは、電通デジタルの現状について、ディスカッションを行います。パネラーは、東條さん、小橋敬太さん(プラットフォーム部門 ソリューション戦略部 コンサルティンググループ)、根本怜太朗さん(アカウントイノベーション部門 第1事業部)、保坂紀季さん(BIRD部門 クリエイティブプランニング第2事業部 プロジェクトクリエイショングループ)です。

下図は2023年1月時点の領域別女性管理職比率ですが、この数字を見て、皆さんはどう感じましたか?

Zoom

保坂 同期の2022年新卒は女性の方が多いですし、少し上の世代を見ても全体の男女比率はほぼ同数にもかかわらず、管理職になると女性の数字が低くなることには、少し違和感があります。

小橋 保坂さんがおっしゃるとおり、全体の男女比と管理職の男女比の乖離は確かに大きいですよね。

根本 個人的な実感と比べると、この数値は低いのではと感じました。

──女性管理職が増えることで、働き方は変わると思いますか?

東條 女性管理職が増えるメリットとして、意思決定に多様性が出ることが言われます。他には、多様なロールモデルを作ることができるということもあります。

いろいろなロールモデルがあることで、各自が長く働くことをイメージしやすくなります。働きやすい会社を作るための第一歩として、男女差の解消は必要だと思います。

管理職の男女差という課題をクリアできれば、会社としてその先にある課題に取り組めますし、企業としての競合優位性にもつながるのではないでしょうか。

小橋 ライフプランは男女により大きく異なるのが現状です。それぞれに近しいロールモデルがあることは、それぞれが自分に合った働き方がしやすくなります。長期的に見れば働き方の変化につながっていくのかなと思います。

保坂 将来自分がどういうキャリアを歩むか、どのような仕事をしていくかを考える際に、女性マネージャーの存在を意識する部分はあります。それに、女性ならではのセンシティブな話題を気兼ねなく相談できる存在は、とてもありがたいです。


女性管理職比率を上げるために必要なこと

──どのようなサポートがあれば女性管理職比率が上がり、ジェンダー平等が進むと思いますか? また、若手の皆さんは、どのようなサポートがあればマネージャーになりたいと思いますか?

東條 やはり実際の体験を聞く機会があるといいのかなと思います。また、一般社員から一足飛びにマネージャーになれるわけではないので、少しずつステップアップできるような研修を整備するのも大事です。

根本 確かに、どのようにステップアップしていくか、私自身も漠然としか把握できていないので、研修などがあれば、男女ともにマネージャーを目指しやすいかもしれません。

小橋 マネージャーではなく、専門職としてキャリアを積みたい社員もいるかもしれません。キャリア全般を考えることができるサポートや研修があってもいいのかなと思います。

保坂 性別や年齢、子どもの有無、子どもの年齢、自身の病気や障害、介護の有無など、あらゆる状況に応じた働き方を提示できる体制を作り上げること。それが結局は女性管理職比率の上昇や、働きやすさにもつながりそうです。

──皆さん、本日はありがとうございました。


脚注

1. ^ "電通デジタルの「国際女性デー」2023". 電通デジタル. 2023年3月22日閲覧。

2. ^電通デジタル「国際女性デー」社内啓発動画”. 電通デジタル公式YouTubeチャンネル.(2023年3月7日)2023年3月22日閲覧。

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