ECと店頭を横断した生活者の購買行動を調査

-商品認知の場は店舗が多数も、購買行動はデジタル化が加速-

2022.12.21

株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:川上 宗一 以下、電通デジタル)は、生活者の行動が著しく変化している昨今において、生活者の行動に寄り添った購買体験設計の支援に向け、EC(オンライン)と店舗(オフライン)を横断した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査」を実施しました。

本調査では、主要商品11カテゴリ(30商品)をベースに、認知・比較検討・購買・購買後の各フェーズにおいて、ユーザーがどのようなチャネルに触れ行動をしているのか、3,000人を対象にアンケートを行いました。
本レポートでは調査の一部結果を発表します。

調査の実施背景と目的

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行から3年が過ぎ、新しい行動様式の定着が進むなか、生活者の購買活動を取り巻く環境は刻々と変化しています。電通デジタルはオンライン・オフライン問わず、生活者のより豊かな購買体験設計支援を推進していく目的から、生活者の購買行動実態に関する定量調査を実施しました。なお、本調査では生活者の購買行動を可視化するために、主要アイテム別に認知・比較検討・購入の各フェーズでどのような接触メディアがあったか、生活者が重視したポイントの詳細なデータを取得しました。

本調査結果の考察

デジタル化が進む現在においても、日常的な購買はオフラインチャネルである店舗の利用傾向が強い結果となりました。一方、オンラインチャネルにおいては、購買チャネルだけでなく、購入検討としての利用として、ECモール各社やメーカー直販ECサイトも上位にランキングしており、さまざまなオンラインメディアが、検討経路~購買後のフェーズで活用されており、購買行動をサポートするための重要な役割を担っていると捉えることができます。
また、「嬉しかったサポート」の設問では、ポイントに関するお得な情報の提供も半数以上の生活者に支持されており、ポイント収集が生活に根付いている結果となりました。これは、オンラインとオフラインはすでに連続的に繋がっていることを示しており、生活者の購買行動には包括的な支援が必要であることを浮き彫りにしました。
また、EC化率が増加※1するなか、今後どのような変化があらわれるのか、引き続き注視が必要です。

主な調査結果

1. 認知

生活者が商品を知る場所は、依然オフラインが多い傾向でした。特に日常的に消費する商品カテゴリではオフラインで商品を直接認知するケースが多い一方、比較検討をじっくりと行う傾向が強いであろう「電化製品・インテリア・ホビー」「ダイエット・健康」や「ファッション」「美容・コスメ」のカテゴリではオンラインでの商品認知の割合が高い結果になりました。

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2. カテゴリ別購入検討経路

購入検討経路の結果では、すべてのカテゴリにおいてオンライン接点が増加しました。「ダイエット・健康」カテゴリでは80%を超える結果となり、生活者は商品認知後、オンラインを活用していることを示唆しています。

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3. 購買チャネル

オフラインチャネルが優勢であるものの、ECモール各社、メーカー直販ECサイトなどのオンライン接点も主要購買場所として選ばれており、購買行動のデジタル化が進んでいます。

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4. 検討から購買後までのチャネルジャーニー

化粧品のチャネルジャーニーを見ると、生活者の行動が多様化する現在においては、商品の購入を促す体験だけではなく、多角的な体験提供の場が必要であることがうかがえます。

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5. 嬉しかったサポート

生活者が嬉しく感じたフォロー・サポートでは、各カテゴリに共通して、クーポンやキャンペーン情報などの値段に直結する「お得な情報」や「発送や到着のお知らせ」の数値が高い結果となりました。お得な情報の中でも、ポイント活用に関するサポートが他の設問より高い結果を示しており、購買体験向上に必須な要素となっていると捉えることができます。また「電化製品・インテリア・ホビー」カテゴリでは、問い合わせに関するさらなるサポートを求めていることが顕著に現れました。

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6. ポイントごとの収集状況

積極的に貯めているポイントの種類は「2つ以上」が半数近くを占めており、ひとつのポイントを集中的に集めるのではなく、複合的にポイント収集を行っており、ポイント収集が生活者に広く浸透していることを示しています。「嬉しかったサポート」でもあるように、ポイント活用においても購買体験を向上するために欠かせない要素となっており、ポイントインセンティブの設計がますます重要となります。

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7. 次世代コマースに関する興味

今後市場規模の拡大が予想される次世代コマースに関しては、ライブコマースならではのリアルタイム動画利用による「詳細がわかりやすい」「実際に体験したような気持ちになれる」「実店舗に行かなくてよい」「質問ができるため安心」といった利便性を求めており、現在のECサイトだけでは表現が困難なインタラクティブ性を含んだリアルタイムな接客を感じる購買形態に、生活者は興味関心を寄せていると言えます。
また、XR(クロスリアリティ)※2に関してはライブコマースより2倍以上の回答数を得られ、生活者の興味関心の高さがうかがえます。販売空間の拡張によって得られる体験や利便性にまんべんなく興味を示しており、新たなECプラットフォームとして、生活者の視野に入っています。情報提供のみならず双方向のやりとりを可能にする新たなコミュニティ形成も更なるCX向上のカギと捉えることができます。

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※1:出典「令和2年度電子商取引に関する市場調査」(経済産業省) 
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html

※2:本調査ではAR(拡張現実)/MR(複合現実)/VR(仮想現実)を含む総称として使用


調査概要

タイトル「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査」
調査手法インターネット調査
調査時期2022年9月5日~9月8日
調査エリア全国
調査対象20〜69歳、3,000名 
調査主体株式会社電通デジタル
商品一覧下記、主要11カテゴリに含まれる30商品
ファッション/美容・コスメ/食品・スイーツ/ドリンク(お酒以外)/お酒/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクト・介護/ペット用品/電化製品・インテリア・ホビー/キッズ・ベビー・玩具
主な調査項目
  • 購買商品の認知チャネル
  • 購買商品の検討経路
  • 購買チャネル
  • オンラインオフラインチャネルの使い分け
  • オウンドEC・モールECでの使い分け理由
  • 口コミ参考度
  • 嬉しかったフォロー・サポート
  • 継続購入要素
  • ポイント利用実態
  • 次世代コマース利用実態(SNSショッピング機能含む)
  • 調査委託先:株式会社電通マクロミルインサイト https://www.dm-insight.jp/

 本調査に関する問い合わせ先

株式会社電通デジタル コマースデザイン事業部
Email:dd_mc_cmr@group.dentsu.co.jp

以上

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