コンサルティング、事業開発、実行支援を統合したソリューション提供を強みとする、デジタルマーケティングのリーディングカンパニー、電通デジタル。CXトランスフォーメーション部門では、顧客体験基点のDX(デジタルトランスフォーメーション)をミッションに、企業改革を推進しています。部門が担う役割やその魅力、具体的なプロジェクトについて、同部門をリードする部門長、事業部長、コンサルタントの3名にお話を伺いました。
連載|世界を変えるトランスフォーメーションカンパニーへ
【#02】DX推進にCXトランスフォーメーションが不可欠な理由
2022年1月に「トランスフォーメーション領域」を新設した電通デジタル。この体制強化を通じ、企業の唯一無二のDXパートナーとして事業成長に貢献し、よりよい世界をつくり出すことを目指しています。トランスフォーメーションカンパニーへと進化を遂げる電通デジタルの取り組みやそこで働く魅力を、3回にわたって紹介します。
出典:ビズリーチ 公募ページ「株式会社電通デジタル」(2022年7月28日公開)より転載
企業変革を正しい道へ導くCXトランスフォーメーションの重要性
CXトランスフォーメーション部門 部門長
小浪 宏信
──CXトランスフォーメーション部門の役割を教えてください。
CXトランスフォーメーション部門は、電通デジタルが企業変革を支援するために定義したトランスフォーメーション領域の主軸を担う部門です。トランスフォーメーション領域を構成する要素には、ビジネスと顧客体験、そしてそれらを実現するテクノロジーの3つの観点がありますが、そのなかのCX(顧客体験:カスタマーエクスペリエンス)を切り口に、お客様のよりよい体験の実現を基点として、企業変革を支援しています。
──なぜ企業のDXにCXトランスフォーメーションが必要なのでしょうか。
日本企業では特に、顧客基点で事業を考えるという企業風土がまだ根付いていなかったり、組織が縦割りになっているといった現状が多くあります。本質的なDXを進めるうえでは、企業風土の刷新にCXの観点を取り入れ、部署ごとの分断などをなくす必要があります。
こうした企業課題に絶大な力を発揮するのが、「お客様の声(思い)」です。お客様からのフィードバックや要望をよりどころとしてデザインされた顧客体験であれば、縦割りの組織を越え、企業として最適な意思決定を促すことができます。お客様の声が持つ力こそが、CXトランスフォーメーションの源泉なのです。
顧客基点の本質的な企業改革から、企業を元気にしたい
──電通デジタルの強みと、CXトランスフォーメーション部門の特徴を教えてください。
電通デジタルの強みは、大きく分けて2点あります。一つは、電通ブランドで培ってきたお客様体験のデザイン力です。顧客体験基点での企業変革は、コミュニケーションに根ざしたクリエイティビティが強く発揮されるテーマであり、電通デジタルだからこそ支援できる領域だと自負しています。
もう一つは、DXに関わるさまざまな領域のエキスパートがワンチームとなり、戦略立案から実行・変革までの全てのフェーズに伴走することです。顧客体験のデザインと戦略の実行、その両面に対応できる体制を整えていることは、電通デジタルの大きな強みです。
また、電通デジタルの前身である電通イーマーケティングワン時代の取り組みも、現在の強みの下支えとなっています。まだ「DX」という言葉がバズワード化されていなかった2005年ごろから、私たちは一貫して顧客体験を重視し、ビジネスやテクノロジーにその視点をどう結びつけるか考え、デジタルの力を用いた企業変革支援に携わってきたのです。そのためDXにおける企業課題を熟知し、支援の道筋を体系化できていることも、現在の電通デジタルの力になっています。
CXトランスフォーメーション部門はよりよい顧客体験づくりを目指していますが、そのゴールにあるのは企業変革です。したがって、私たちの支援は顧客体験デザインと実行、その定着、さらには運営を持続させる組織づくりや人材育成にまで及びます。最終的に企業が自走できて初めて、本質的な企業変革が達成できると考えています。
──CXトランスフォーメーション部門が実現したいビジョンはどのようなものですか。
私たちの支援を通じ、顧客体験の力で企業を元気にしたいと考えています。
企業変革を任された現場リーダーの悩みは絶えません。DX人材の不足に加え、経営層の説得も困難な状況です。さらにはデジタルサービスをリリースし、グロースさせる業務フローも確立されていないなど、さまざまな課題を抱えています。私たちはそうした課題を解決し、共に企業の変革を行う「イネーブラー(新たな社会を構想し具現化する人)」として伴走することをアイデンティティとしています。
その一環として、私たちはパートナー企業と共に一般社団法人UXインテリジェンス協会を立ち上げ、UX人材の育成にも力を注いでいます。企業がDXを実現し、さらには自走する組織になるところまでを視野に入れているからこそ、こうした取り組みも重要だと考えています。
──今回人材を募集する背景と求める人材像を教えてください。
現在の課題としては、お客様からの要望に応えられる人材がまだまだ足りていないことがあります。そこで、何らかの専門性を持っている方、自分以外の専門性を持つ仲間をリスペクトできる方、そして自分の専門領域を拡張していく意思を持った方を求めています。CXトランスフォーメーション部門は、あらゆる領域のエキスパートが専門性を発揮しつつ協働しているので、学べることが多い環境だと思います。
私自身、前職ではSIerでSEとして働いていました。当時は、よりよいアイデアがあっても期日までに決められたものをつくるしかない状況に葛藤を抱えていたのです。キャリアの軸足を変えようと電通デジタル(当時、電通イーマーケティングワン)に入社したところ、同じような思いでここに集まってくるメンバーが多いことを知りました。在籍するメンバーのバックグラウンドはコンサルティングファームやリサーチ会社の出身者、制作会社のデザイン領域の経験者、事業会社のマーケティング担当者などさまざまで、互いをリスペクトしつつスキルを高め合う環境があります。
私たちがいたから企業変革が実現できたとお客様に感じていただき、今後はそういった実績をもっと世に出していきたいと考えています。支援したプロジェクトが世に出ることで企業変革の流れが広がり、社会が変わり、やがて生活者の環境が変わっていく。その喜びを、ぜひ共に感じましょう。
CX全体に関わり、顧客体験のデザインから業界の変革にまで挑む
CXトランスフォーメーション部門 CX/UXデザイン事業部
事業部長 桑山 晃一
──CX/UXデザイン事業部の役割と組織体制について教えてください。
CX/UXデザイン事業部は、CXトランスフォーメーション部門のなかで、その名の通り顧客やユーザーの体験をデザインしている事業部です。具体的には、ユーザーリサーチからサービスの構想、プロダクトのUX設計やより詳細なUIデザインへの落とし込みなどを行っています。
プロジェクトにはPM(プロジェクトマネージャー)が1名、デリバリー担当のコンサルタントが2名というチーム構成で対応することが多く、コンサルタントはリサーチからUX/UIデザインまで一貫して関わります。PMは品質管理などの取りまとめを行い、ユーザーリサーチやカスタマージャーニーマップ作成、デジタルサービスのワイヤーフレームへの落とし込みなどは役割にこだわらず、全メンバーで協力して行っています。
UXデザインの業務は短いサイクルのなかでユーザーのフィードバックを得ながら改善を繰り返すため、分業体制にあまり適していません。アウトプットの品質を上げるため、アジャイル的にプロジェクトを進めるケースが多いからです。そのなかでコミュニケーションロスや工数の重複を防ぐために、一人のコンサルタントが全工程に携わる形式を取っています。オーナーシップが生まれ、プロジェクトに対する思い入れが高まる点でも、全てのプロセスに関与する形は効果的でしょう。
──現在、CX/UXデザイン事業部ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。
新規デジタルサービスをゼロからつくる伴走をしたり、すでにあるデジタルサービスを改善したりすることが多いです。また、ワークデザインの依頼も最近増えており、UXデザインの知見やプロセスを内製化したい企業に対し、人材育成支援なども行っています。
昨今はDXにおいて「いかに内製化できるか」という課題が注目されており、人材育成の相談が増えている印象があります。例えば、対象となる社員の現状のスキルを見極め、そこから具体的な育成プランや研修を考えたり、一緒にプロジェクトを行うなかで育成をご支援したりするのも私たちの仕事の一部です。もともとサービスデザインやUXデザインの領域では、お客様の社員の方々と私たちUXのエキスパートが一つのチームとなって取り組む共創型プロジェクトが多いのですが、そこにOJT的な人材育成の視点が加わってきている印象です。
新たなデザイン手法やテクノロジーを取り入れながら、業界を変えていく
──関わるプロジェクトの具体例を教えてください。
通信、金融、製薬、リテールなど、支援する業界は多様です。BtoC、BtoBの双方に対応できる知見を身に付けられ、デジタルとUXを掛け合わせて業界の仕組みを将来的に変えていく一端を担えることは、CX/UXデザイン事業部で働く魅力だと思います。
一例として、ある製薬企業の案件を挙げます。製薬業界では、もともとMR(Medical Representatives、医薬情報担当者)などを通じた対面営業が主軸でしたが、コロナ禍の影響で医師に会えなくなったことで営業のデジタル化が急速に進んでいます。しかし、デジタルツールを取り入れたものの現場には根付かず、活用されないという課題が残っています。そんな現状に対し、私たちは従来の営業とデジタル接点をうまく融合させ、オムニチャネルでの展開を模索しています。患者と向き合う医療従事者や医師の薬剤導入までのプロセスをリサーチし、課題を把握するとともに、最終的にどんな情報を提供すれば行動変容につながるかまでを想定したカスタマージャーニーを設計しました。
他にも、前述した組織に対するナレッジ形成やOJTの仕組みづくり、よりよいUXの維持・進化を実現するためのデザインシステムの構築など、多岐にわたるプロジェクトでクライアントの事業成長の支援を行っています。
変化の真っただなかにある業界の支援は正解のない挑戦も多いですが、その成果が自分のキャリアに直結する利点もあります。知見を生かして対外的なウェビナーに出演したり、一業界のUX領域のリーダーシップを取る人材になれたりと、キャリアの可能性を広げる機会には恵まれています。
──CX/UXデザイン事業部で得られるキャリア価値は何だと思われますか。
CX/UXデザイン事業部では、真に価値のある顧客体験を創造するために、サイトやアプリといったデジタル接点にとどまらず、リアルの接点も内包したCX全体の構想に関わることを重視しています。また、UXデザインのプロセスを一気通貫して全て扱えるのも魅力の一つです。
特定の業界やクライアントを担当し続ける体制ではないため、多様な商品・サービスにおけるUX向上支援の経験を積むこともできます。プロジェクトにはUXのスペシャリストとして携わりながら、その知見をさまざまな業界の課題解決にも応用・展開していけるのです。
CX/UXデザイン事業部が扱う仕事のほとんどは、答えのないものです。テクノロジーやトレンドの発展を受けて新しい領域を開拓していく側面も求められます。そのような環境ですので、常に変化し続ける姿勢や、自らスキルや視点を広げていくマインドを持った人が活躍している印象があります。新しいことに挑戦したい方や学ぶのが好きな方には、最適な環境なのではないでしょうか。
多角的に企業変革を推進する立場で、自身のポテンシャルを試せる
CXトランスフォーメーション部門
CX戦略プランニング第1事業部 CX戦略コンサルタント
劉 亦天
──劉さんは2021年に電通デジタルに中途入社されたそうですが、転職の経緯を教えてください。
私は教育系の事業会社と外資系マーケティングリサーチ・コンサルティングファームでのキャリアを経て、電通デジタルに入社しました。前職ではマーケティングリサーチの基礎を3年間学びましたが、もともとインサイトを生かした新規事業開発に興味があり、より発展的な仕事のなかで自身のポテンシャルを試したいと思い、転職を検討しました。
電通デジタルに興味を抱いたきっかけは、社会人インターンシップへの参加です。電通グループのブランドから広告のイメージを持っていたのですが、事業開発にも深く携わっていることに驚きました。
また、インターンシップのなかで行われたワークショップでは、一人一人に丁寧なフィードバックがあり、人が温かい会社だと強く感じたのが入社の決め手になりました。志を持って手を挙げればチャレンジでき、専門性の高いメンバーが伴走してくれる環境があり、入社後もその印象は変わっていません。
──担当されているCX戦略コンサルタントの仕事内容や具体的なプロジェクト例を教えてください。
CX戦略コンサルタントとして、顧客体験を基点としたサービスデザインや事業戦略を考え、幅広い領域にチャレンジしています。
例として挙げられるのは、ある電機メーカーの新サービス構想です。家電製品の販売にとどまらず、デジタルサービスと製品を組み合わせることで、今までカバーできなかった生活者のお困りごとの解決や理想の実現に対して、支援が可能になります。競合メーカーの類似サービスがあるなかでの差別化ポイントや収益性などを考え、どんな顧客体験を提供すべきか、それを実行するためのチーム編成はどうあるべきか、個々にどんなスキルセットが必要かなど、包括的に考えて戦略を立てています。
プロジェクトのチーム構成は、全体を俯瞰するPMのもと、専門領域ごとにメンバーがアサインされる形です。私は顧客体験のデザインやマーケティング戦略の策定を担っており、ステークホルダーと週に複数回の定例会議を行い、プロジェクトを進行しています。
同時並行で関わるプロジェクトはおよそ3~4社です。私は幅広く手がけたいので複数社を担当していますが、メンバーによっては一社専属にするなど、おのおののスタイルで働いています。隔週で行われる上長との1on1を通じて自身の希望を伝えられるので、キャリアパスを共有し納得感を持って仕事を進められる環境です。
他にも、「どうしても自社製品をベースに物事を考えてしまい、顧客基点の思想が根付かない」という企業に対し、企業のマーケティング・ブランディング部門の社員の方々へのマーケティング研修も行っています。前職での人材育成やワークショップデザインの経験・スキルも存分に生かせていると感じています。
コンサルティングファーム、事業会社、シンクタンクの側面を持つ面白さ
──電通デジタルでのコンサルティングの特徴はありますか。また、入社から約1年で得られた成長などについても教えてください。
コンサルタントありきの戦略やソリューションを提供するのではなく、自走する企業づくりを目指した支援をしていることです。そうした思想を持ちつつも経営の持続性を高めるために、私たちは常に新しいことにチャレンジし続けています。コンサルティングに限らず、クライアントと共に事業や組織を立ち上げることもあります。事業会社の経営に伴走する側面もありつつ、その先にある社会や人々の暮らしをよりよくするところまで見据えて働けることに醍醐味を感じています。
私は入社してまだ1年ですが、まったく異なる自分に少しずつ進化している実感があります。デジタルサービスが世に出るか否かを左右する全体設計に携われたり、企業の執行役員への最終報告を担当したりと、想像以上に責任のある打席に立てることがうれしいです。こうした成長を実現できているのは、幅広い領域にチャレンジできる環境があるからだと思います。
──最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
一緒に働きたいのは、社会をよくしたいという思いがある方、自分のポテンシャルを試したいと考える方です。スキル以上に、思いが強い方と共に働きたいですね。新しいことを学ぶ意欲さえあれば、今はスキルが不足していても問題ありません。
電通デジタルのコンサルティングファームとしての認知はまだこれからかもしれませんが、色が決まっていない分チャレンジの幅は広いですし、新しいDXやコンサルティングのあり方をつくっていけるとも捉えています。
CXの本質は、人の心理や気持ちを理解することと、そのための好奇心です。自身の経験を棚卸しして深く見つめてみれば、きっとこの仕事につながる接点が見えてくるでしょう。
私自身そうだったのですが、30歳を超えてから新しい領域へチャレンジするのが怖いという方もいらっしゃるかもしれません。電通デジタルは、挑戦への支援が充実している会社なので、当社に来ることでポテンシャルを磨き、さらに新しいことにチャレンジできるようになるとポジティブに捉え、ご応募いただければと思います。
連載|世界を変えるトランスフォーメーションカンパニーへ(全3回)
【第1回】徹底した顧客基点で事業変革に伴走する、企業のパートナー
【第2回】DX推進にCXトランスフォーメーションが不可欠な理由(当記事)
【第3回】顧客基点のDXをテクノロジーの力で推進する
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