2021年08月19日

コラム

一過性のものにしない! ワカモノ世代を巻き込んだ世界環境デーイベント

SDGsへの意識が高まる中、電通デジタルにおいてもSDGsの社内啓発活動の一環として、2020年から国際デーに連動した社内イベントを実施しています。本年6月4日にも、世界環境デー(6月5日)に合わせてウェビナーを開催。環境保全・保護への意識を自分ゴト化として高めてもらおうと社員参加型のイベントとし、さらに大学生の参加を募った研修型の要素を加え、社員と大学生が一丸となりWebCMを制作するという、未来を見据えたイベントとなりました。大学生チームによる動画作品の紹介を含め、イベントの様子を紹介します。

ますます重要になる「SDGsの視座」

電通デジタルが行ってきたSDGsに関する社内啓発オンラインイベントは、今回の世界環境デーのものと合わせて3回。

第1弾は10月16日の世界食糧デーに合わせて行ったイベントで、食糧問題をテーマとし、今後懸念されるタンパク質危機に向けた代替食の試みの1つとして昆虫食を取り上げています。杉浦友彦副社長に、蚕からできたシフォンケーキを試食してもらい、食レポをお願いしました。

第2弾は12月10日の世界人権デー連動イベントで、「LGBTQトークセッション」と題し、ゲイアクティビストの松中権さんと川上宗一社長とで対談を実施。そして第3弾が、今回の世界環境デーに合わせたイベントです。「6月5日は世界環境デー」と定められたのは1972年で、国連総会で日本とセネガルの共同提案が採択されたことによります。日本国内でも、6月は環境月間として環境セミナーや展示会など、さまざまな取組みがなされています。

「利益だけでなく、従業員、顧客、地域社会、環境などの社会の幸せにも貢献すべき」というステークホルダー資本主義への潮流が顕著な中、現在では、企業経営においてますます環境への配慮、SDGsの視座は必要です。個人としてSDGsを考えることはもちろん、電通デジタルの業務においても、より一層SDGsを意識した動きをしていくことが求められています。そこで電通デジタルでは、社員にSDGsの視座へのヒントとなるように定期的に啓発イベントを開催しています。

大学生+ACRCでWebCM制作ワークショップを開催

今回のイベントでは、大学生による「ゴミ問題をワカモノに訴えるWebCM制作」という企画が実施されました。学生3人のチームが電通デジタルのクリエイティブチームであるアドバンストクリエーティブセンター(以下ACRC)メンバーのアドバイスを受けながら、若者にゴミ問題を訴えるWebCM(約30秒)を作るというものです。そして最優秀作品はYouTubeで広告配信されることになりました。

まずは4月初旬に参加チームを募集。4月15日には、参加する学生たちに向けて、「YouTubeとは何か」「伝える動画制作のコツ」「過去のクリエイティブ事例」を解説するオリエンテーション(オンライン)が行われました。

その後、各学生チームにリーダーとしてACRCの社員1人が付き、皆でミーティングを行いながら制作を開始。オリエンから約1か月後の5月20日には作品が提出され、その後、審査を経て6月4日に優勝チームが発表されました。なお作品の審査は、ACRCをはじめとするクリエイティブ部署の責任者である並河進(株式会社電通・カスタマーエクスペリエンス・クリエーティブ・センター長)、和田純一(ACRC部門長)と、電通デジタル執行役員らが行いました。

コロナ禍で撮影が制限される中、学生たちはいかに工夫しながら、ゴミ問題に対してワカモノに関心を持ってもらえる動画を作れるでしょうか。では、受賞結果とともに、参加した3チームの作品と学生の皆さんの声を紹介しましょう。

優勝:日本大学藝術学部(日藝)Bチーム 「Vlog篇」

概要:授業を受けるために大学に向かい、ランチにサンドイッチを食べる、そんな女子大生自身の1日を紹介するかのような動画が縦長画面で始まる。その画面にはゴミはないが、巻き戻してトリミング前の動画を見ると、たくさんのゴミが目につく。コピーは「トリミングしても、なくならい。ゴミ問題に目を向けよう」。

広告だとわかるとスキップされてしまうので、広告ではないような始まりを狙ったという本作品。審査員からは、「同世代の日常から入って、気づきを与えている」「縦長画面が途中で16対9になるアイデアがおもしろい」とのコメントがありました。

優勝した日本大学藝術学部Bチームの皆さんからは、当時の苦労と作品ができ上がった達成感、優勝の喜びの声が聞けました。

「コロナ禍の制限がある中でしたが、リーダーにアドバイスいただきながら最後には作品にできました。達成感がありますし、評価していただいて、ありがとうございます。」

「撮影予定日に緊急事態宣言が解除されなくて、どうなるかと思いましたが、優勝という結果まであって嬉しいです。」

「最初の企画がボツになるなど大変なことが多く、形になっただけでも安心していたのに、そのうえ優勝! ありがとうございます。」

特別賞:日本大学藝術学部(日藝)Aチーム 「地球の風邪篇」

概要:地球(をかぶった人)がベッドに横たわり咳をしている画面から始まる。風邪をひいているようだ。人間が薬を用意し、その後、地球の住む部屋に散らばるゴミを分別し終わると、地球の風邪がなおり元気になる。コピーは「地球に薬は効きません。地球には分別が効く」。

「地球をかぶった人」が登場する本作品。ユーモアをもって伝えようとしていることから、当初予定されていなかった特別賞に輝きました。審査員の中には、この地球をかぶる人に根強いファンがいたのだとか。

優勝できなかったことがわかった悔しさの中での特別賞発表に、日本大学藝術学部Aチームの皆さんは驚きながらも喜びにあふれていました。

「まさか特別賞があるとは! 衝撃に言葉が出てきません。3人で動画を作るのは初めてでしたが、充実した1か月間でした。」

「コロナ禍の影響で、直前に撮影場所が使えなくて変更したり、大変なことがありましたが、その度にリーダーに助けていただいて、貴重な経験になりました。」

「広告になるかもしれない作品を作ることは初めてで、楽しく参加できました。これからもいろいろな企画を考えたいと思います。」

京都芸術大学チーム 「ゴミの面接篇」

概要:ゴミ(擬人化)がオンライン面接を受けている画面から始まる。「プランターになりたい」「衣類になりたい」と希望を言うが、汚れたプラゴミはリサイクルされずに、面接に落ちてしまう。コピーは「汚れたプラゴミは、リサイクルの輪からはじかれる。しっかり洗ってゴミ箱へ」。

並河審査員長から、「メッセージが他チームよりも踏み込んでいた。踏み込んでいる分、説明しないとわからないことが出てくる。難しいことにチャレンジしていた」とのコメントがあった本作品。

僅差の違いで、今回は惜しくも受賞を逃した京都藝術大学チームの皆さんからは、前向きな声を聞くことができました。

「リーダーとミーティングをして作り上げることができ、充実した1か月でした。これを機にさらにがんばります。」

「ミーティングや撮影など、スケジュール管理が難しかったんですが、作品ができて良かったです。」

「提出日のギリギリまでブラッシュアップを重ねて取り組め、良い活動になりました。」

施策を積み重ね、ワカモノ世代に引き継いでいきたい

メンター的な位置づけで関わったACRCのメンバーもまた、「自主的に次々とアイデアを出していく、その学生らしい発想力に刺激を受けた」と言います。並河審査員長は、「一緒に取り組んだプロセス自体に価値がある」と今回のコラボ企画を評価しました。

なお、世界環境デーのイベントに伴い、社員からの提案を受けて少額から気軽に寄付ができる「給与天引き募金」が実施され、有志で41,700円の募金が集まりました。この募金はWWFジャパンに全額寄付されます。こうした声が社員からあがるようになったのも、地道な啓発イベントの継続が実を結んだとも考えられます。

最後に、今回の啓発イベント主催メンバーからのコメントを紹介します。

WebCM制作ワークショップ主催 ACRC 山崎英生

環境動画の企画の方法を伝え、ワークショップをして、大学生の皆様に実際に作ってもらう。それを実際にYouTubeで配信してメッセージしていく。デジタルエージェンシーの機能を有する私たちができるSDGs活動の新しい形ができたと思いました。今後これが続いて、若い人にデジタルマーケティング業界に少しでも興味もってもらえる機会の1つになれば嬉しいです。

総務部 CSRチームコメント

我々総務部CSRチームでは、昨年からSDGs社内啓発イベントを行ってきました。第1弾の世界食糧デー、第2弾の世界人権デーに続き、第3弾となるこの世界環境デーのイベントは、学生との産学連携、電通デジタルのリソースを活かした社会還元イベントとして企画しました。

コロナ禍で撮影が制限されるなど厳しい環境下となりましたが、学生が気づきを与えてくれたゴミ問題啓発動画の制作を通し、企画の段階からアドバイスを送り続けたリーダー社員と学生の絆に感動を覚えた社員も多かったようです。

また、審査員でもあるプロクリエイターたちが、学生の作った動画作品を真剣に講評する話もとても示唆に富んだものになりました。

今回、ACRCのメンバーが作ってくれたイベントロゴは、「地層」をモチーフにしています。環境問題は一過性のモノではなく、これからも引き続き小さな行動を積み重ねながら、今回参加してくれた学生などの「ワカモノ世代」に引き継いでいかなくてはなりません。総務部CSRチームでは、まずは社内から啓発を行い、さらには電通デジタルとして社会に貢献していく施策に取り組んでいきたいと考えています。

ACRCメンバー制作の環境デーイベントロゴ