2021年07月27日

コラム

DXって実はSDGs!? 日頃から社会課題を意識して、クライアント企業の最強パートナーに!

※所属・役職は記事公開当時のものです

コロナ禍前からリモートワークを取り入れた働き方のPoCを行うなど、ワークスタイルの開発を進めてきた電通デジタルでは、2020年に緊急事態宣言が出されるとすぐにリモートワークを基本とした業務体制に移行。リモートワーク実施率は91%(2021年6月時点)になり、オフィスの環境負荷低減も実現しました。本稿ではその低減状況をデータで紹介した上で、さらに今後求められる電通デジタル社員の意識や行動、CSRチームの取組みについて、総務部長 飯野将志に聞きました。

業務のデジタル化を推進しリモートワーク実施率91%の実現と環境負荷を低減

リモートワークの実態に応じた運用に変更 電力・紙の使用量:電気・廃棄物は約半分、紙は10分の1に

オフィスの環境負荷低減を示すものとして、顕著なものが電力や紙の使用量です。2019年3月~2020年2月と2020年3月~2021年2月を比較すると、電気も紙の廃棄物も約半分になり、OA用紙については10分の1に減少しました。

電気・廃棄物・OA用紙量の比較(2019年3月~2020年2月と2020年3月~2021年2月を比較)

電気・廃棄物・OA用紙量の比較(2019年3月~2020年2月と2020年3月~2021年2月を比較)

※ 電気:浜離宮オフィス(住友不動産汐留浜離宮ビル18、19、21、22階の4フロア)の使用量。廃棄物:廃棄ボックス処理箱数をもとに算出。

これは、出社する社員が少なくなった状況に即して、空調や廃棄ボックス処理箱の運用を切り替えた結果だといえます。

コロナ禍前の空調は、社員の出社時には快適になっているように朝8時に自動で運転を開始する設定でした。(夜は10時に自動停止)しかし、これを、出社した社員が自分のエリアの空調を手動で入れる運用に変更。さらに、自動停止の設定も夜8時に切り上げました。

リモートワークを基本とする業務体制となったことで、クライアントとの打ち合わせもオンラインが主流になり、それまで印刷してクライアント先に持参していた提案書類などはほぼ不要になりました。また、名刺も紙でなくオンラインでの交換を推進しています。とはいえ、会社のメッセージはあくまで「リアルとデジタルを適切に使い分けていくこと」。社員は、緊急事態宣言中かどうかなどコロナの状況に合わせて、出社や対面ミーティングを選択しています。

初めてお会いするクライアントであれば、直接お会いしてご挨拶するということを大切にしている部署もあるでしょうし、中途入社の社員が入る時には、一度皆で会うことにしているチームもあります。

書類の電子化を推進 発注書・請求書はほぼ100%、契約書は50%以上を実現

書類の電子化にも即対応しました。発注書・請求書は、2020年2月まで紙で発行していましたが、リモートワークに入る3月にはほぼ完全にPDFに切り替え、それに伴い、封筒・郵送費のコストも削減。また、電子契約システムも2020年7月に導入し、月の契約の50%以上が電子契約となり、現在もさらに電子契約率は高まっています。

電通デジタルのリモートワークへの移行がスムーズにいった背景には、電子契約やデジタル名刺といった、業務のDXがあります。電通デジタルはこれまで、クライアント企業のDXをお手伝いしていますが、それを自社でも実践していたことが環境負荷低減の推進に繋がったと思います。

クライアントの事業成長パートナーとして、社会課題を意識する視点が必要

社会課題を意識することがクライアント企業の成長を促進する

環境負荷低減などの社会課題を意識することは、我々のビジネスにおいてもますます重要になってきています。クライアントの課題解決が電通デジタルのミッションですが、その先にある社会課題を意識した提案をしていくことで、クライアント企業の真の事業成長パートナーになり得ると考えるからです。

ESG投資という言葉があるように、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に取り組んでいない企業は投資を受けにくく、仕事をいただきにくい時代になってきています。クライアント企業の事業成長パートナーになろうとしている電通デジタル社員が、社会課題に意識が向いていないのでは、パートナーとして選ばれにくくなるでしょう。

飯野将志(電通デジタル)

飯野将志(電通デジタル)

小さなことから行動やライフスタイルを変えていく

そうした社会課題への視点をもつためにも、日頃から環境への意識をもつことが大切だと考えています。私も最近、スーパーやコンビニで食品を買う時には、賞味期限が迫っている手前のものから買うようにしています。

些細なことかもしれませんが、日頃から環境に配慮していれば、クライアント企業の事業課題を見つめながらも、その先にある社会課題にも自然と意識がいくのではないでしょうか。確かに電力など、オフィスの環境負荷を減らすことができましたが、自宅やシェアオフィスなどに負荷が分散していることも忘れてはいけないと思っています。企業人としての環境負荷低減、社会課題解決を意識するだけでなく、地球人としての環境への配慮も意識したいですね。

たとえ些細なことでも日頃の意識を上げていく、そのために総務部のCSRチームが始めたことの1つに、「サークルSDGs」があります。電通デジタルには、スポーツ系から文化系まで約20のサークルがありますが、サークル活動を行う際にSDGsに繋がるアクションを付加した場合に、総務部からエシカル商品をお渡しするというものです。

たとえば、あるスポーツ系サークルは、活動時に買っていたペットボトルの水を皆に呼びかけて自宅からマイボトルを持ってくるようにしました。たとえ数本のペットボトルだとしても、プラスチックゴミ削減への一歩です。この取組みには、総務部からフェアトレードの珈琲をプレゼントしました。

サークルSDGsは、一人だと行動を起こしにくいので集団で何か行動を起こそうよ、というところから始まりました。社員が共有するSlackチャンネルに、あるサークルの取組みが投稿され、それが良い取組みとして会社が称えることで、さらに次のアクションが起こる。そういった好循環を期待しています。

こうした気づきの機会を提供する企画は、これまでにもいくつかありました。浜離宮ビルから電通本社ビルへのオフィス移転の際に設置した「まだ使えそうBOX」がその1つです。浜離宮ビルから退去する際には、不要になるものでもまだ活用できそうなものを「まだ使えそうBOX」に入れてもらい、必要とする社員に譲ったり、NPO法人に寄付するなどして、極力廃棄しない取組みを行いました。

こうした気づきの機会提供を、地道に続けていきたいと考えています。そして社員の皆さんの基本的なライフスタイルや行動の変容が起こり、ひいてはクライアント提案にも良いように作用されれば、と思っています。

SDGsを意識したイベントも昨年から開催しています。昨年は世界食糧デーや世界人権デーに合わせて社内イベントを行いました。食料問題から今後新しいタンパク質として注目される昆虫食をテーマに、蚕からできたシフォンケーキを役員が試食したり、LGBTQの人権について考えるテーマではゲイアクティビストの松中権さんと川上社長の対談を行ってきましたが、いずれのイベントでも、冒頭にはCSRチームがイベントの意義を説明し、継続して意識が高まる工夫をこらしてきました。

ここ最近、テレビでも特集が組まれるなど、人の日常にSDGsへの意識が芽生えつつあるように思いますが、当社では2018年にCSRチームを立ち上げ、これまでに様々な啓発活動を行ってきたこともあり、社員の皆さんの中に環境への配慮を始め、SDGsへの意識が根付いてきているという実感があります。しっかりと受け止めてくれている社員の皆さんに感謝するとともに、今後も啓発活動を続けていきたいです。