2021.06.29

アウディチームに聞く ソーシャルメディアを使ったマーケティングとは?

LINE、Twitter、Instagram、Facebook、YouTube。一般のユーザーだけでなく、企業もこれらのソーシャルメディアを使っています。

その目的は、自社製品のファンを効率的に増やしたり、顧客の満足度を向上させること。 ただ、そのためには専門的な知識が必要なので、中には、外部の専門会社の協力を得てソーシャルメディアアカウントを運用する企業もあります。

電通デジタルは、ドイツの高級自動車メーカー・アウディから依頼を受け、各種ソーシャルメディアアカウントの戦略立案から分析、運用までを担当しています。

ソーシャルメディアを使ったマーケティング(製品が売れるようにする仕組みづくり)とは、どのような仕事なのか? 電通デジタル エクスペリエンス部門 ソーシャルメディア事業部アウディチームの若手4人に話を聞きました。

※この記事は、2023年度定期採用サイトに掲載予定の記事を、一部編集して先行公開したものです。
※所属は記事公開当時のものです。

エクスペリエンス部門
ソーシャルメディア事業部

池末 智美

エクスペリエンス部門
ソーシャルメディア事業部

難波 直樹

エクスペリエンス部門
ソーシャルメディア事業部

中原 窓風

エクスペリエンス部門
ソーシャルメディア事業部

飯野 大介

アウディを知ってもらうこと、好きになってもらうこと

――電通デジタルが担当しているアウディのソーシャルメディアアカウントの種類は?

池末 Instagram、Twitter、Facebook、LINE、YouTubeです。

Instagram(@audijapan
フォロワー:約9万人

Twitter(@AudiJapan
フォロワー:約13万人

Facebook(@audi.jp
フォロワー:約37万人

LINE(audijapan
友だち:約8万人

YouTube(Audi Japan)

(※2021年4月時点のデータ)

――ソーシャルメディアの投稿を見た人が、すぐにアウディの自動車を買うわけではないですよね。目的は何ですか?

難波 アウディをより多くの人に知ってもらうこと(認知向上)、好きになってもらうこと(好意形成)です。つまり、アウディのブランディング、アウディというブランドをソーシャルメディアを通して伝えていくことを目的にしています。

――ブランドを伝えるとは、具体的にはどういうことでしょうか?

池末 アウディは「技術力をベースにした先進性」と「高級感」を併せ持つブランド。そのイメージがより多くの人に伝わって、覚えてもらうにはどうすればいいか。

そして車を買う機会があったときに、アウディを思い出してもらうにはどうすればいいか。それを考え、実行するのが「ブランドを伝える」ということです。

難波 まだ車を持っていなかったり、今は別の車に乗っていたりする若い人も、ソーシャルメディアでアウディの投稿に触れることがあると思います。

そうした人たちには、「将来アウディに乗りたい」と憧れをいだいてもらえるように、5年、10年単位の長期的な視点で、将来の顧客育成的なコミュニケーションも意識しています。

ソーシャルメディア事業部 池末智美
2015年、電通イーマーケティングワン(電通デジタルの前身)に入社。新モデルの発売ごとにコミュニケーション戦略の策定と、
Audi Sport公式Facebook、ロイヤルカスタマー(優良顧客)限定のFacebookグループの全体運用管理を担当。

――ソーシャルメディアの戦略を立て、分析し、運用する仕事の難しさはどこにありますか?

池末 企業のソーシャルメディアアカウントは、一般ユーザーとは違って、単純に「いいね!」の数やシェア数、コメント数が多ければいいというわけではありません。

それぞれの投稿が、なぜ「いいね!」をたくさんもらえたのか、どんな人がシェアしてくれているのか、必ず理由があるはずです。

ユーザーの投稿を収集・調査・分析するソーシャルリスニングツールを駆使して、反応が良かった理由を探り、仮説(Plan)を立て、コンテンツを投稿し(Do)、仮説が正しかったか検証して(Check)、やり方を改善する(Action)。この一連の流れ(PDCA)を繰り返して、より成果の大きい方法を編み出していくことが、ソーシャルメディアマーケティング(ソーシャルメディアを活用し、企業・サービスのファンづくりや認知向上、販売促進を行うこと)ではとても大事です。

難波 クライアントであるアウディには、達成しやすい目標よりも、一段階チャレンジングな目標を設定して取り組むことを良しとする社内文化があります。

一方で、ブランドを伝えるという本来の目的を踏まえると、当然のことながらブランドイメージを傷つけてはいけません。ただ新しければいい、バズればいい、というわけではないところは難しいですが、やりがいがあります。

ゆえに、他の企業がどこもやっていないような新しい施策をリクエストいただくことも多く、そんなときには、ソーシャルメディアを起点にしつつもオウンドメディアやイベント・店頭施策などのオフラインメディアとも連携し、ソーシャルに留まらない施策設計をすることもあります。

ソーシャルメディア事業部 難波直樹 インターネット広告代理店を経て、電通デジタルに入社。アウディのInstagram、Twitter、Facebook、LINE、YouTubeアカウントの全体運用統括を担当。

コミュニケーション力、分析力、憑依力

――ソーシャルメディアマーケティングを行うためには、どういう能力が必要ですか?

池末 まずは、コミュニケーション力です。クライアントとのやり取りや、ソーシャルメディアのユーザーにどう受け取られるだろうか、と想像する際にも、絶対に必要な能力です。

それから、流行をキャッチするアンテナの感度と情報収集能力です。

難波 私からは分析力。電通デジタルでは、シェアや「いいね!」が多かった投稿を定量(数値や量)、定性(テキストの内容)の両面から分析し、クライアントの課題解決に活かしています。

ソーシャルメディアでバズっている投稿を見たら、「おもしろいな」と思うだけでなく、なぜ多くの人が共感しているのか、インサイト(潜在的な欲求や感情、行動の動機)は何なのか、そういった目線で見るように日頃から意識しておくことは大きな力になると思います。

飯野 憑依(ひょうい)力も大事だと思っています。データなどからターゲットの気持ちを想像するだけでなく、ターゲットが憑依したかのように、その人の視点から物事を見る、考える、感じることのできる能力が求められているのではないでしょうか。

中原 ソーシャルメディアでは、ユーザーの気持ちがホットなタイミングで投稿することがとても大事です。それを実行するには、情報をキャッチしてから投稿するまでのスピード感が求められるため、チーム内でも、正確なコミュニケーションが必要になってきます。

伝えたいことがきちんと伝わっているか、相手の意図をきちんと理解できているか、慎重さや繊細さをもって伝わるように努力していく心がけは、本当に大事だなと痛感しています。

ソーシャルメディア事業部 中原窓風 2020年4月に新卒で入社。Audi Sportの公式Facebookと、ロイヤルカスタマー限定のFacebookグループの全体運用管理を担当。

ソーシャルメディアならではの仕事のやりがいとは?

――どういうときに仕事のやりがいを感じますか?

難波 自分が考えた投稿に対して、すぐに直接、ユーザーから「いいね!」やシェア、コメントなどのリアクションが来るのは、モチベーションにつながります。

アウディが好きな方に刺さったな、心を動かせるコンテンツが作れたなと、嬉しく思いますね。

池末 ソーシャルメディアならではのやりがいというわけではありませんが、車の新しいモデル(車種)が無事に発売されて、キャンペーンが終了したときに感じる達成感。

クライアントから「ありがとうございました。次もまたぜひお願いします」と、感謝やねぎらいの言葉をいただくのは、何度経験しても嬉しいものです。

中原 自分が手掛けた投稿や動画を家族や友人知人にも見てもらえるのは、この仕事ならではの嬉しさがあります。

クライアントや協力会社から責任のある仕事を任せていただき、頼りにされていると感じたときには、誇りとやりがいを感じますね。

飯野 自分の考えた企画が少しずつ形になって、コンテンツとしてユーザーに見てもらえて、コメントなどで盛り上がっているのを見たときです。

あと、ストーリーズで投稿した写真を友人がシェアしているのを見たときに、業務として行っている仕事とリアルな生活がつながったと強く実感しました。

ソーシャルメディア事業部 飯野大介 2020年4月に新卒で入社。クリエーティブプランナーとして、主にInstagram投稿案のプランニングを担当。

手がけた動画がブランドストアの巨大モニターに

――電通グループは、2020年2月26日から全従業員がリモートワークに切り替わりました。中原さんと飯野さんは、2020年4月に新卒で入社して、すぐにフルリモートでの勤務になりましたが、それに対して戸惑いなどはありませんでしたか?

中原 この働き方からスタートしているのであまり違和感はなく、むしろこれが普通だという認識です。

――同期の方とコミュニケーションをとる機会はありますか?

中原 同じアウディチームに同期が2人います。業務で一緒になることはないのですが、ほぼ毎日のように話をしていますね。

――入社してからこの1年で、特に印象に残っている仕事はありますか?

飯野 この1年、Instagramアカウントの投稿案をプランニングするという業務を担当しています。

最近、アウディのソーシャルメディア全体に関わるコアコンテンツに関して、あるアイデアを提案した際に、先輩からも、クライアントからも高く評価されました。

そのときに初めて、ユーザーに見てもらい、感じてもらうところまでを踏まえてアイデアを考えるとはどういうことか、ズバッとつかめた実感がありました。

中原 Audi SportのFacebookグループに投稿する動画の企画です。企画から撮影、YouTubeやSNS上での公開までトータルで担当しました。

1年間、クライアントとコミュニケーションを取り続けて、信頼を得たからこそ、任せていただけたと思っていて、すごく心に残る案件でした。

この動画は、南青山のアウディブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」(2021年1月14日~5月31日までの期間限定)の巨大モニターにも映されました。1人で見に行って、アウディの方からも「すごく格好いいですね」と褒めていただき、感動しました。


これからの目標、挑戦したいこと

――最後に、今後の目標、挑戦したいことをお聞かせください。

中原 現在担当しているAudi SportのFacebookグループで展開しているファンコミュニティを、もっと盛り上げたいと思っています。メンバーからの投稿数を増やしたり、イベントへの参加率を高めたりする施策を行って、グループの輪を拡げていきたいです。

飯野 まだ実際の撮影現場に行ったことがありません。今年は実際に撮影現場に赴いて、撮影や現場のディレクションに挑戦していきたいです。

池末 ソーシャルメディア領域でも、まだ手がけたことのない施策がたくさんあります。得意領域を少しずつ広げながら、将来的にはマーケティングコミュニケーションの全体戦略までを描けるようになりたいと思っています。

難波 そもそも、ソーシャルメディア領域だけでなく、デジタルマーケティング全体を自分の得意領域にしていきたいという目的で電通デジタルに転職したので、それを叶えていくことが当面の目標です。

電通デジタルの強みは、さまざまな領域のプロフェッショナルがいること。今後はいろいろな人から、ソーシャルメディアだけではなく、デジタルマーケティングの全体戦略を作るために必要な要素を吸収していきたいですね。

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