2021年03月02日

コマース

コラム

電通デジタルにコマース部門発足! 2021年、コマースで注力するポイントを三橋部門長に聞く

※所属・役職は記事公開当時のものです。

2020年は、コロナ禍によるリモートワーク、在宅勤務、巣ごもり需要の影響により、EC市場が大きく拡大しました。

2021年、電通デジタルでは、急増するクライアント企業のデジタルシフト、ECシフトに対応すべく、旧デジタルコマース事業部を中心にしてコマース部門を創設。クライアント企業のコマース事業成果を最大化できるよう、これまで以上に貢献していける体制を整えました。

コマース部門発足の背景、ミッション、戦略とビジョンについて、三橋良平部門長に話を伺いました。

idea × technology × dataでデジタル社会における「三方よし」を実現したい

――コマース部門の対象となる領域を教えていただけますか?

三橋オンラインの売り場である自社ECとECプラットフォーム。オフラインの売り場であるリアル店舗。この両方を合わせたものをコマース全体と捉えて、売り場作りを中心とした顧客体験設計とその構築、運用を行います。

それらを通じて得たデータを活用しながら、コマース領域の事業戦略や新たな顧客体験の創出などを計りつつブランド育成を行うというのが、コマース部門の中心的な業務だと考えています。

こうした業務を通じて、クライアント企業の事業成長パートナーとなることが、最終的な到達点だと考えています。その上で、コマース部門のミッションとして掲げた「idea × technology × dataでデジタル社会における『三方よし』の実現」にも邁進したいと思っています。

「idea × technology × dataでデジタル社会における『三方よし』の実現」

――今回コマース部門の設立に際して、配下に4つ事業部ができました。コマースデザイン事業部、コマースディレクション事業部、コマースメディア事業部、コマースプロデュース事業部、それぞれの業務内容を簡単に教えていただけますか?

三橋まず、コマースデザイン事業部とコマースディレクション事業部ですが、いずれも実際の買い場である自社のECサイトでお客様が心地よく買い物できるように買いやすい導線の設計をおこなったり、画面の設計をしたり、デザインしたりする部隊です。前者はクリエーティブや顧客体験設計などを担当し、後者は裏側の自社ECシステム構築を担当します。

コマースメディア事業部は、メディアを扱う事業部です。ECプラットフォーム上で集客するためのメディアプランニングと実施、プラットフォームごと特有の機能を活用した、売り場作りや顧客体験作りの支援をしていきます。

これらを全体統括していくのがコマースプロデュース事業部です。クライアント企業への提案のきっかけを作ったり、課題に応じたコンサルティング、案件が大きい場合は事業部を横断してチームを形成して、その全体プロデュースを行います。

――コマースプロデュース事業部が受けてきた案件を、他の事業部に振り分けていくことになるのでしょうか?

三橋個々の事業部だけで完結する仕事もあり、それぞれの事業部に独立性はあります。ただ、今後はコマースプロデュース事業部が商流を作っていくことになるので、将来的には、コマースプロデュース事業部を中心としたチームを組織して、そこを窓口にクライアント企業に相対するという形を、理想にはしています。

実際は、電通のコマース案件における大きな窓口として電通内にコマースプロデュース部があるので、そことの連携がより強化されるのではないかと思っています。

三橋良平(電通デジタル)

三橋良平(電通デジタル)

電通デジタルがコマース領域で注力する4つの分野

――今回のコマース部門設立の背景には、電通デジタル全体で、コマースと連携しなければならない案件が増えてきた、というのがあるのでしょうか?

三橋それはひとつ言えると思います。コロナの影響下で新しいスタンダードを模索する中で、多くの企業が積極的にDXを図っています。これまでは「そのうちコマースも取り組まないとね」と先延ばししていた企業も、今や、本格的に取り組まなければという気運が高まっているとは感じます。

――そうした大きな変化を踏まえて、電通デジタルおよび、コマース部門が注目している分野は何でしょうか?

三橋電通デジタルでは、コマース領域において今後注力すべき分野を、①ECプラットフォーム販促、②OMO型デジタル販促、③購買データ活用・分析コンサル、④D2C・次世代ECチャネル開発、の4つとしています。

これまでのコマース戦略は、ECプラットフォーム販促に閉じていた気がするんです。もちろん、コマース領域において長らくこの分野が主戦場だったからとも言えますが、しかし、それでは次世代のコマースを制することはできないとも考えています。

そのためにも、まずなによりも、購買データの分析と活用こそが、今後のコマース領域での重要課題となるでしょう。たとえば、ECプラットフォームのデータとクライアント企業のデータを組み合わせることで、新規顧客を開拓したり、ユーザーのLTVを高めていく施策が可能になります。

また、電通デジタルは2019年11月にARプラットフォームを開発するZEPPELIN社と業務提携し、ARを活用した新しいコマースの開発に取り組んでいます。当然、ARやXRが次世代のECチャネルになり得る可能性を踏まえてのものです。

さらに、2020年9月にはNEW STANDARD社と業務提携を行い、同社と共同でD2C/DNVBに対応するワンストップのブランド構築サービス「ブランドデジタルトランスフォーメーション(BDX)」の提供を開始しています。以前に久志さん(NEW STANDARD代表取締役)との対談でもお話ししたように、個人的にもD2C/DNVBには新たな商機があると感じています。

このように、これまで一つひとつ積み重ねてきたものを、コマース領域全体で改めて取り組んでいくということが、今年注力するところだと思っています。

――2020年10月に、電通デジタルでは全社横断によるデジタルマーケティング領域の専門支援組織ADVANCED COMMERCE Lab.(以下、ACL)が発足しました。こちらとの関係はどうなりますか?

三橋電通デジタルのコマース領域、特にECプラットフォームに関する人材と知見は、ほぼACLに集約されています。特に力を入れている領域が、「デジタル販促」と言われる領域です。

デジタル販促とは、たとえば、LINE Payを使って購入するとキャンペーン応募ができてポイントをもらえるとか、PayPayで買うとキャッシュバックがあるなど、Webやアプリなどを活用した販促手法を言います。今後、デジタル販促領域に関しては、ACLと連携をして進めていくことになります。

ACLにはコマース部門からもたくさんのメンバーが参加しています。デジタル販促に留まらず、さまざまな領域において連携を図りつつ、情報や経験をアップデートしながら、協力してやっていきたいです。

――コマースのあらゆる領域をカバーできる体制が整っていますね。

三橋コマース領域を多方面からカバーできる体制を敷き、あらゆるクライアントニーズに応えていきたいと思っていますが、部門が立ち上がったばかりということもあり、リクルーティングにも力を入れさらに体制強化を図っていく予定です。

グループ内外を問わず、連携を積極的に強化していく

――近年は、電通グループ全体でもECのコンサルに力をいれていますよね。

三橋そうですね。2020年3月に電通主導でDentsu Commerce Roomという国内電通グループ18社(2021年1月現在)による横断組織が発動しました。これはグループ各社が保有するコマースソリューションを一元的に取り扱うための組織です。さらに、そこから特に、ソーシャルコマース領域に知見のある4社(電通、電通デジタル、電通アイソバー、電通ダイレクトマーケティング)で、ソーシャルコマースに特化したプロジェクトチームも結成しています。

電通デジタルはいずれの組織/チームにも参加していますが、そういった活動を通じて、グループ内の横連携を強め、協力し合ってしっかりとコマースでビジネスを作っていきたいと思っています。

――グループ全体で連携という話と、電通デジタルのコマース部門が独自性を発揮するという話は、相反するとも言えますが、その点はどうお考えですか?

三橋近年の電通グループにおけるコマース領域に関するさまざまな取り組みは、グループ内で競い合うというよりも、対グループ外とどう戦っていくか、ということだと思っています。

われわれがなすべきことは、クライアント企業各社に対して、全体の顧客体験をどう作るか、いかにブランド価値を高めていくか、LTVを伸ばしてくか、ということです。

それをスピーディーに実現するためには、そういったツールや仕組みをもうすでに持っているところと組んでやってくのが一番早い。グループ外の企業との連携も、それでスピード感が早められるのなら、どんどん組んでいきたいと考えています。

コマースは下克上が可能な世界

――最後に、コマースに取り組むクライアント企業の担当者に向けて、メッセージをお願いします。

三橋コマースに関するお困りポイントは、最終的には「どうしたら売り上げが上がるのか」という点に尽きます。

しかし、実際には、そのための具体的な打ち手が見えない、何から手をつけていいかわからないケースが大半です。われわれのような外部のプロフェッショナルを活用することで、真の課題を特定し、それをどう解いていくかまでの道筋を明確にすることができます。

ですので、課題が明確になってから、ではなく、何をお願いしていいかわからないという段階からでも、ぜひご相談いただきたいと思います。

ここ数年は、内製化にこだわる企業も増えましたが、すべてを自社で持つことがベストとは限りません。ECはアップデートの激しい領域のひとつであり、そこに追いついていける人材を確保するのは相当大変なことです。われわれにお任せいただくのは、「人を雇う」という部分を外に持つか、中に持つかの違いとも言えます。

もちろん、内製化をご希望のクライアント企業には、定着化支援までしっかりお手伝いさせていただきますし、そのノウハウも豊富に持っています。大事なのは売り上げを上げることで、利益を大きくする流れを作ることです。そのために電通デジタルをご活用いただきたいと思います。

――クライアント企業には、どういった企業を想定していますか?

三橋業種、業態、規模、問わずです。ECの良さって、スタートは、ナショナルクライアントも地方の中小企業も一緒なところだと思うんですね。

たとえば、ECプラットフォームで「しょうゆ」と検索すると、GMS(総合スーパー)の棚とは違う見え方があります。大手メーカーに並んで、地方の中小メーカーも上位に出てきます。こういったことひとつ見ても、ECとは、ある意味、下剋上が可能な領域だと思いますし、そこに近年のD2C/DNVBの隆盛もあると思っています。

私は2008年、電通の新聞局から「47(よんなな)CLUB」に出向してEC事業会社の立ち上げに携わりました。地方新聞社だけが知っている良品を、ECを通じて多くの人に伝えていくということをテーマにしていて、まだまだ知られていない「いいもの」って日本中にたくさんあるんだなと、当時、強く実感したものです。

地方創生にもつながる話だと思いますが、地方には、すばらしい技術を背景にした伝統工芸品や、独特の食文化、地元の方しか知らない名店などがたくさんありますよね。これらは、その土地に根差していることに意味があって、だから今も残っているものです。その連綿と続く物語はD2C/DNVBに重なるところがあり、非常に親和性が高いと言えます。

魅力的な品質とストーリーを持った商品はあるけれど、しかし、その知名度は低い。それをどうやって多くの人に知ってもらうか、顧客になってもらうか、そしてファンになってもらうかというのは、まさに現在のEC領域における典型的な課題です。逆に言えば、そこをクリアすれば、大手も中小も関係ないのがECという領域でもあります。そういう意味で、私たちのクライアント企業はあらゆる領域にいると考えています。

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