2019.12.06

電通デジタルセミナーレポート 「電通デジタルが考える音声UI活用のポイント ―スマートスピーカーは新しいマーケティングチャネルとなるか―」概略

電通デジタルは2019年4月24日、「電通デジタルが考える音声UI活用のポイント ースマートスピーカーは新しいマーケティングチャネルとなるかー」と題したセミナーを開催しました。今年2月に発表した『スマートスピーカー利用実態調査』によると、国内のスマートスピーカー所有率は約6%で、アメリカをはじめとした海外での普及状況に比べ、国内所有率は少ない印象を受けます。

※所属・役職は記事公開当時のものです。

デジタルコンサルティング事業部
事業部長

高田 晴彦

デジタルコンサルティング事業部
プラットフォーム戦略グループ

佐々木 祐輔

デジタルコンサルティング事業部
データ戦略グループ
プランナー

小川 達也

ビジネス/UXデザイン事業部
デジタルトランスフォーメーション部門 部門長補佐 ビジネス/UXデザイン事業部 事業部長

小浪 宏信

ビジネス/UXデザイン事業部
クリエーティブ第1グループ
クリエーティブディレクター

泰良文彦

国内では多くのメディアで取り上げられながらも、ユーザーはスマートスピーカーで何ができるのか、掴みかねているのが現状です。また新規ビジネスを企画・検討する企業の担当者は、スマートスピーカーが本当に事業のチャンスとなり得るか、半信半疑といったところでしょう。

2部構成セミナーのうち、第1部では、電通デジタルのコンサルタント2名がスマートスピーカーの国内普及状況と拡大のポイントを紹介。続く第2部では、新たに登場した画面付きのスマートスピーカーをテーマに、音声UIサービスの具体的な成功事例を交えながら、課題と展望について解説しました。


第1部セッション:電通デジタル調査『スマートスピーカー利用実態調査』から見えてくる普及状況と拡大のポイント(概要)

株式会社電通デジタル デジタルコンサルティング事業部 事業部長 高田晴彦
株式会社電通デジタル デジタルコンサルティング事業部 グループマネージャー 佐々木祐輔
株式会社電通デジタル デジタルコンサルティング事業部 プランナー 小川達也

第1部セミナー。(写真左から)小川達也、佐々木祐輔、高田晴彦

第1部は電通デジタル 高田の進行で、今年2月に実施した『スマートスピーカー利用実態調査』の結果から、現在の所有状況や所有者の生活像をパネル形式で紹介しました。

セミナーでは、スマートスピーカーの国内所有率が約6%と一見低い数値に見えるものの、佐々木はアメリカの普及推移レポートを用いて、双方の初動は近しいとの見解を示しました。そして、小川は、普及の一般的な壁に、「日本人はスマートスピーカーに話しかけるのを恥ずかしく感じるから」という意見があるが、調査結果によると恥ずかしいと感じる層は約2割であり、普及の妨げにはなっていないことを付け加えました。

所有者像の中心は、子育てと仕事を両立するガジェット好きな30代男性。特徴として、情報の取捨選択ができ、雑誌などの情報を積極的に収集する層が見えてきました。また音楽スピーカーとしての利用が多く、リビングに設置し、家族での使用も目立ちました。そして興味深い結果として、アプリ利用の頻度が多くなるほど、提供元企業へのポジティブな感情をもつことを伝えます。

今後考えられるスマートスピーカーのアプリに対するニーズは、現在の所有者が欲する機能から、「気分や感情を読み取ったサービスの提供」「状況に応じた暮らしのサポート」「TPOを汲んだプライバシー対応」を例に挙げ、利用者の状況や状態を踏まえた適切なサービスの展開が普及の起爆剤になることを伝えました。

またビジネスモデルとしては「既存ビジネスの補完モデル」と、すでにアメリカで実施されている「広告モデル」を紹介。最後に、スマートスピーカーというより音声UIとして多様なデバイスに溶け込んでいく例を示して、第1部が終了しました。


第2部セッション:進化する音声体験――画面付きスマートスピーカーのもたらす価値とは(概要)

株式会社Libalent プロダクト/メディア事業部 企画推進チーム チームリーダー 恩田真丈氏
株式会社電通デジタル デジタルトランスフォーメーション部門 部門長補佐 ビジネス/UXデザイン事業部 事業部長 小浪宏信
株式会社電通デジタル ビジネス/UXデザイン事業部 グループマネージャー 泰良文彦

第2部セミナー。(写真左から)小浪宏信、恩田真丈氏、泰良文彦

第2部は、音声UIを知り尽くすLibalentの恩田氏と電通デジタル 泰良とのセッションを、電通デジタル 小浪が進行。「日本人は画面との親和性が高いため、現状普及率の低い音声UIに画面が付くと、一気に浸透するのでは」との期待感のこもった刺激あるセッションになりました。

画面付きスマートスピーカーが今までの音声UIと違うのは、目で見て確かめられることで、利用者がより多くの情報や、言語で表現しにくい内容を選べるようになったことです。セミナーでは、画面付きスマートスピーカー専用アプリ(スキル)成功事例を4つ挙げました。泰良が選んだのは、家のリビングで選ぶデリバリーの「出前館」、店頭のような会話をしながら花を届けてくれる「1-800-Flowers」。恩田氏は、聞き分けの悪い子どもに鬼から電話がかかってくる「おにから電話トーク」、子どもが中毒的にプレイし続ける「ひょっこりはん」をセレクトしました。

設計・開発のフローは、恩田氏が自ら手がけた「ひょっこりはん」で説明。コンセプト決め、シナリオ設計の時間が非常に短く、会場に駆けつけた各企業の担当者を驚かせました。

「成功しがちなポイント、失敗しがちな点」については、デザイナーの泰良は自宅で多くの音声UIをモルモットのように使いこなす経験から得た知見を、恩田氏からは「タイトルから想起させたコンテンツがダイレクトにユーザーに届く」のがベストとの、実際に手がけた開発者ならではのコメントが聞かれました。

最後に「既存のヒットアイテムの徹底的な分析にビジネス勝機がある」と、恩田氏が多くの企業人の背中を押し、セミナーが終了しました。

次回からは、第1部、第2部のより詳細な内容を記したレポートをお伝えします。

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