2016.07.30

第2回 顧客接点のデジタル化

デジタルマーケティング業界を知ろう

就職活動でデジタルマーケティングという言葉に初めて出会った人に向けて、「デジタルマーケティングってそもそも何?」という疑問に答えながら、業界理解を深めていく連載。第二回目は「スマホ全盛時代の、消費者と企業の接点」がテーマです。


アプリ、SNS、動画...、毎日情報がたくさん

Zoom

私たちが日々接する情報は、数え上げるときりがないほど膨大です。

例えばスマートフォンからの情報を考えると、ニュースをはじめ、TwitterやInstagramなどのSNS、友人からLINEで送られてくるYoutubeの動画、ゼミの先輩からシェアされた就活関連サイト、一度利用しただけの通販サイトのメールマガジン、...。

もちろん生活の中の情報は、スマートフォンからだけでなく、テレビやラジオ、新聞といったマスメディアはもちろん、大学の講義で読む教科書や、学校内に掲示されているポスターまで。身の回りには本当に多くの情報と接しています。

5年前、10年前に比べても、一人の個人が受け取る情報量が大きく増えたため、例えばあるブランドが新商品の情報やセール情報など、伝えたいことだけを一方的に押し付けるだけでは、受け手である消費者に届きづらくなってしまったのです。

企業のマーケティング活動は、こうした状況の中で行われるため、他の情報に埋もれてしまって受け手になかなか届けられない、という課題を抱えています。


企業はなぜ無料でLINEスタンプを配っているの?

Zoom

ところで、みなさんは普段LINEを利用していますか?

まさに5年、10年前までは主流だったメールやショートメッセージから取って代わり、日常的なコミュニケーションツールとして普及しているLINE。ご存知のとおり、このLINEにはスタンプという機能がありますが、その中で、企業が配信しているLINEスタンプを利用している人もいるのではないでしょうか?

企業は自社のキャラクターや、人気スタンプクリエーターとのタイアップで作ったスタンプを無料で配布しています。使う側は、スタンプショップを何気なく見てダウンロードしていますが、企業の側からすると実はこれもデジタルマーケティングの一部として戦略が練られた上で行われていることなのです。

企業はスタンプのダウンロードをする前にアカウントの友だち登録をしてもらうことを狙いにしており、その先にはLINEを使って情報発信やコミュニケーションをすることを見据えています。

でも、なぜ無料スタンプ配布を入り口にするでしょうか。そこで、このページの最初の話に戻ります。

先ほど触れたように、私たちの生活の中にはすでに膨大な量の情報があふれているため、企業の伝えたいことが入る隙間がなく、自分たちにとって興味のある・関係のある情報だけを選択して生活しています。

その中で企業が伝えたいことを届けるためには、消費者の興味・関心を織りまぜながら情報発信しなければならないのです。LINEスタンプは、その興味・関心の一つなのです。


顧客との接点、そしてストーリーを作っていくこと

消費者の興味を引く情報は、もちろんLINEスタンプだけではありません。
分かりやすい例でいえば、思わずリツイートしたくなるようなツイートや、おもしろい動画を企業が配信しているのもその一つです。

一見マーケティングとは関係なさそうなことでも、消費者との最初の接点を持つフックとして使われている場合があります。
こうした情報を発信するのと同時に、「どんな人が反応してくれたか」「反応してくれた人は、他にどんなことに興味・関心があるか」などのデータを蓄積・活用して、最終的には企業のファンになってもらったり、商品を買ってもらったりといったことにつなげていきます。

Zoom

ただし、やみくもにスタンプや動画を作れば良いわけではありません。消費者の心を捉えて、きちんと届く情報を生み出すためには綿密な作り込みが必要不可欠です。

また、一度情報を伝えたあとに、続けてどのような働きかけをするかがデジタルマーケティングの重要な部分です。
LINEスタンプの例では、企業アカウントからのメッセージを「とりあえず受信した人」「メッセージ内のリンクをクリックしてwebサイトを見に来てくれた人」など、それぞれの行動データを分析して、次のアプローチを変えていくことができます。

こうした行動データの他にも、第1回で紹介したような年代や性別、居住地(位置情報)などのデータをもとにして、届ける情報を出し分ける場合もあります。
ユーザーにとって必要な情報は何なのか。また、最初の接点から商品のファンや利用者になるまでにどのような道筋をたどってもらえば良いのか。

データをうまく活用しながら、消費者の立場に立って情報を設計したり、届けたりすることがデジタルマーケティングの醍醐味です。


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